2016年11月8日
みなさんが一体となって作業に取り組める環境になります
現在の新事務棟は、2017年2月以降、協力企業のみなさんに使っていただくことが計画されています。これにより、発電所全体が一体となって作業に取り組める環境になります。
1F構内では、2つの作業で汚染水がもれる危険性を減らしました。1つは、冷却水を循環させる屋外移送配管の距離を約3kmから約0.8kmに短くしたこと。もう1つは、1・2号機排気筒ドレンサンプピットの汚染水を抜いたことです。その結果、汚染水があふれる心配もなくなりました。
また、夏から秋にかけて、台風と秋雨前線による大雨が降りましたが、ポンプやバキュームカーによる地下水の汲み上げが速やかに行われ、水のあふれや水もれはありませんでした。
◇新事務棟は協力会社のみなさんに使っていただきます
このたび、新事務棟の南側に新事務本館が完成。10月3日にこれまで新事務棟で仕事をしていた東京電力社員が、新事務本館に移りました。空いた新事務棟は、2017年2月より、協力企業のみなさんに使っていただく予定です。より近い距離で仕事をできることになり、これまで以上に一体感をもって、廃炉作業に取り組めるようになります。
◇台風の大雨による影響
夏から秋にかけて、5つの台風が立て続けに東北地方に襲来。秋雨前線の影響と合わせて、8月16日から9月24日までに1F構内では累計で約620mmの雨が降りました。数年前までは、大雨によってタンク付近から水があふれることもありましたが、屋根カバーの設置が進み、ポンプやバキュームカーによる地下水の汲み上げが速やかに行われるようになり、水のあふれや水もれはありませんでした。今回、合計で約5万立方メートルの地下水を汲み上げています。
また、雨が降ったことで、排水路や港湾内の放射性物質の濃度が一時的に上がりました。ですが、今までも雨が降ったときに起きていた現象であり、問題はありません。
◇冷却水を循環させる配管の距離を短縮
原子炉冷却水を循環させる屋外移送配管を、約3kmから約0.8kmに短くしました。これは、淡水化(RO)装置を4号機タービン建屋に設置し、10月から運転を始めたことで実現しました。短くなったことで、被ばくや水もれの心配が少なくなります。
◇1・2号機排気筒ドレンサンプピットの汚染水について
昨年のリスク総点検で「調査が必要」とされた1・2号機排気筒ドレンサンプピット(排気筒の下にある水槽)について、周辺の放射線量が高いため遠隔操作ロボットを使って調査をしました。その結果、ピット内に汚染水がたまっていることがわかったため、9月14日に水を抜き、その後に水位計を設置しました。今後はピット内の水位を確認しつつ、必要に応じて水抜きを行います。これにより、汚染水が外に出る危険性は減少しました。
◇1号機原子炉建屋カバーの壁パネル取り外し
先月もお伝えした通り、1号機の燃料取り出しに向けて、建屋カバーの壁パネル全18枚の取り外しを進めています。作業は9月13日に始まり、11月に完了する予定です。作業は順調に進んでおり、現場および敷地境界付近に設置されたダストモニタでも、作業による放射線量の有意な変動は確認されていません。
◇陸側遮水壁の状況
建屋を凍結した壁で囲むことで、流れ込む地下水の量を減らし、汚染水の発生を抑えるのが陸側遮水壁の目的です。10月上旬、陸側遮水壁の海側における補助工法が完了したため、計画したすべての範囲が0℃以下となる見込みです。陸側遮水壁の山側については、全体の95%を凍結し、約92%が0℃以下となっています。地下水位は、海側・山側とも上流側が下流側に比べて高く、その差が拡大・維持する傾向になっています。