2016年12月12日
熱中症の発生を大きく減らすことができました
作業員のみなさんのご協力のおかげで、2016年度の熱中症の発生を4件(2017年度12件)に抑えることができました。今年度の取り組みとして、管理対象区域の見直し、給水車設置、WBGT(暑さ指数)表示器設置などを行いました。来年度以降も、熱中症予防対策として、環境改善などに取り組みます。
1、3号機では、使用済燃料取り出しに向けての準備作業が順調に進んでいます。1号機タービン建屋では、たまった汚染水を取り除くための設備を2017年3月末までに取り付ける予定です。3号機原子炉建屋では、オペレーティングフロアへの遮へい体設置工事を2017年初めごろに終える予定です。
また、雑固体廃棄物焼却設備で確認されたピンホール・割れの原因が特定できたため、対策をしたうえで運転を再開しています。
WBGT表示器を設置(左)、飲料水を配備(右)
◇今年度は熱中症が大幅に減りました
2016年度は作業を原因とする熱中症の発生は4件(休業を伴うものは0件)となり、昨年度の12件(休業を伴うものは1件)から大きく減らすことができました。1000人あたりの発生率も、1.71%から0.62%へと減少しました。
今年度の取り組みとして、管理対象区域を3つに分けたこと、通気性のよい構内専用服を導入したこと、全面マスクの使用が減ったことに加えて、湿度、輻射熱、気温の3つをもとにして算出したWBGT(暑さ指数)表示器を目につきやすい場所に置いたこと、給水車を増やして水の補給をしやすくしたことなどが挙げられます。来年度もさらなる「熱中症防止統一ルール」の定着と、いっそうの環境改善を図ってまいります。
2016年度 実施した主な熱中症予防対策
飲料水の配備
保冷剤冷凍庫の配備
WBGT表示器の設置
共用クールベストの着用
移動式給水所の配備
現場に時計を設置
◇1号機タービン建屋にたまった汚染水の処理について
1号機タービン建屋では、たまった水を処理する作業が続けられています。10月5日からは、高線量の汚染水がたまっている復水器からの水抜きや希釈、また復水器につながる配管の洗浄を行っています。
今後、作業エリアの線量を低下させたり、障害物を取り除いたりする作業をしたのち、2017年3月末までに地下階の床にたまった水を抜くための配管やポンプを取り付けます。
◇3号機原子炉建屋オペレーティングフロアの遮へい工事
3号機原子炉建屋では、オペレーティングフロアの放射線量を下げるために、放射線を通しにくい遮へい体を設置しています。9月20日時点で大型遮へい体は1つの工区を除いて設置が終わりました。10月以降は残る1工区および隙間を埋める遮へい体を設置します。すべての遮へい体を設置し終えるのは2017年初めごろを予定しています。
なお、遮へい体を設置する前にくらべて、原子炉建屋の最上階における平均線量率が9月時点で86%低減しました。
遮蔽体設置状況
◇雑固体廃棄物焼却設備の運転再開について
2016年3月に運転を始めた雑固体廃棄物焼却設備は、使用済みの防護服(カバーオール)などを焼却するためのものです。8月にA系の伸縮継手に割れ、B系の伸縮継手に小さな穴と割れが見つかったために、運転を中止して原因を調べていました。その結果、排気ガスに含まれる成分によって金属が腐食し、そこに力がかかったために発生したことが確認されました。同じような可能性のある箇所を含めて、部品の交換などの必要な対策をしましたので、11月に運転を再開しています。
◇排水路の付け替え工事について
タンクエリアの雨水を排水するC排水路では、雨が降らないと水の流れがない状態になります。そのため、放射線モニタはたまった水を何度も測定することになり、適切な測定になりませんでした。そこで、上流にあたる西側エリアの排水先をC排水路に切り替えることで、水が常に流れるようにしました。
また、多核種除去設備エリアでは、雨水を排水するためのA排水路を付け替えて、排水先を港湾内にする工事を始めています。長さは約240mで、完成は2018年3月の予定です。