2016年12月15日
燃料取り出しに向けてまた一歩前進しました
1~3号機では、原子炉内に残る燃料の取り出しに向けて、着実に作業が進んでいます。1 号機では、11月10日までに、原子炉建屋カバーの壁パネル18枚をすべて取り外しました。2017年3月ごろから建屋カバーのまわりに防風シートを設置して、2018年度中にがれきを取り除く予定です。
2号機では、ロボットを使った内部調査に向けて、12月に配管貫通部への穴あけ作業を行います。3号機は、燃料取り出し時に燃料移送容器を支える「移送容器支持架台」の設置を11月24日に始めました。作業員の被ばくを極力減らす工夫をしながら作業を進めていきます。
陸側遮水壁の凍結状況については、南側の凍結ラインから1.5m離れた場所で深さ1.2mを掘った結果、凍結していることを確認できました。
◇1号機原子炉建屋カバーの壁パネルをすべて取り外しました
1号機原子炉建屋の最上階に残るがれきを取り除くために、9月13日から建屋カバーの壁パネルを取り外す作業をしておりましたが、11月10日に18枚すべての取り外しが終わりました。
作業をしていた間、現場や1Fの敷地境界付近に置かれたダストモニタにおいて、放射線量の有意な変動はありませんでした。
今後、2017年3月ごろから建屋カバーの柱と梁を改造して、まわりに防風シートを設置します。がれきの取り除きは、2018年度中に完了する予定です。
◇2号機原子炉の配管貫通部に穴を空けています
2号機原子炉に残された燃料取り出しに向けて、格納容器の内部を調査するため、配管貫通部に穴を空ける作業を12月に行います。2017年1月から2月にかけて、この穴からロボットを入れて、燃料の様子など内部を調査する予定です。
穴を空ける作業は、原子炉格納容器内の気体が外に出ないように作業を進めます。また、作業場所の近くにダストモニタを設置して、作業が終わってからも引き続き放射線量を監視していきます。
◇3号機の燃料を取り出すための「移送容器支持架台」を設置します
3号機の原子炉に残る燃料の取り出しに向けて、原子炉の建屋最上階の放射線量を減らすことを目的として、放射線を通しにくい遮へい体を床に設置しています。すでに主な遮へい体の設置が終わり、現在は隙間を埋める補助的な遮へい体の設置を進めています。
また、燃料を取り出す際に、燃料移送容器を支える「移送容器支持架台」の設置を11月24日に始めました。遮へいが終わった床に設置するのですが、設置工事に際しては、有人での作業が必要になるため、作業員の被ばくをできる限り減らすように工夫しながら、安全最優先で進めていきます。
◇1~3号機の原子炉冷却水の量を減らします
現在、1~3号機の原子炉を冷やすための水は、必要な量より余裕をもって注水しています。そこで、12月以降は、毎時4.5㎥から毎時3.0㎥に減らしていく予定です。減った分は、建屋内に残る汚染水を浄化するために使います。原子炉圧力容器の温度などは常に監視を続けていますので、もし冷却状態に異常があった場合には、注水量を増加します。
◇H4エリアの汚染土壌の回収を開始しました
2013年8月に、H4エリアでタンクから汚染水が漏れました。その後、タンクの周りの土壌は回収しましたが、タンクの真下の部分は回収できていませんでした。今回、タンクの解体にあわせ、真下の部分の汚染土壌の回収を12月より始めます。
浅い部分は2017年1月上旬に、深い部分は2017年2月いっぱいに回収を終える予定です。