2017年2月16日
2、3号機の燃料取り出しに向けて大きな前進がありました
◇2号機原子炉格納容器の内部をカメラで撮影しました
2号機原子炉では、燃料取り出しに向けてロボット(自走式調査装置)を使って内部調査をする計画です。現在はその前の段階として、カメラを使って事前調査を行っています。
1月26日には、貫通部の様子を調査しました。1月31日にはカメラを原子炉内部に入れて、ペデスタル(原子炉圧力容器を支える部分)の様子や、ロボットが走行する予定の制御棒駆動機構(CRD)交換用レールの状況を確認しました。調査は計画通り行うことができましたので、撮影した画像データを分析したうえで、今後の方針について検討していきます。
◇3号機燃料取り出し用カバーの取り付け準備に入りました
3号機では、燃料を取り出すために、原子炉建屋の上にドーム屋根式のカバーを設置します。1月5日から準備作業に入り、1月17日からはカバーを建屋に取り付けるためのストッパの設置作業を始めました。
カバー設置には有人作業が必要となるため、1F構外でカバーの組み立てや設置訓練を行うことで1F構内での作業時間を減らしたり、遮へいボックスを設置することにより、できる限り被ばく線量の低減を図ります。
◇1号機原子炉への冷却水の量を減らしています
原子炉建屋内の汚染水処理を進めるために、1号機原子炉への注水量を減らしています。2016年12月14日には毎時4.5㎥から毎時4.0㎥に、1月5日には毎時3.5㎥に、1月24日に毎時3.0㎥に減らしました。原子炉圧力容器内や底部の温度は常に監視していますが、冷却状態に異常はありません。2月以降は、2号機、3号機についても、順に注水量を減らしていく予定です。
◇港湾内の海底土を覆う工事が完了しました
港湾内の海底に広がる土は、波によって動かされると放射性物質が広がってしまう恐れがあります。そこで、土が動かないように表面を覆う工事を進めてきました。1層目の工事は2015年4月に終わり、その後は耐久性を増すための2層目の工事を進めていましたが、2016年12月26日にすべて完了しました。
◇陸側遮水壁の効果で地下水の汲み上げ量が減っています
陸側遮水壁の山側では、凍結していなかった7カ所のうち2カ所について、凍結運転を開始した結果、0℃以下の範囲が増えています。すでに凍結が進んでいる海側では、地下水位が低下し続けています。4m盤の地下水汲み上げ量も、凍結前には1日に約400㎥だったものが、最近では1日に140㎥程度に減っており、建屋への水の流み込みが減っていることが確認されています。1月19日には107㎥と、過去最小を記録しました。
◇塩分の多い地下水を淡水化する装置を準備しています
海側遮水壁近くの地下水ドレン(井戸)で汲み上げた地下水は塩分が多く、一部をタービン建屋へ移送するために、汚染水が増加する原因の一つとなっています。そこで、タービン建屋への移送量を減らすため、海水を淡水化する「前処理装置」を建設しています。準備が整い次第、運用を開始します。