2018年3月12日
陸側遮水壁の評価と今後の汚染水対策
◇陸側遮水壁の評価と今後の汚染水対策
福島第一原子力発電所の敷地内を流れる地下水は、原子炉のある建屋に流入すると、事故で溶けた燃料を冷やす水と混ざり、汚染水を増加させる原因となります。地下水の流入を防ぐことは重要な課題の一つであり、その対策の一つが陸側遮水壁です。
3月7日に開催された専門家が集まる国の汚染水処理対策委員会において、陸側遮水壁による地下水の遮水効果が明確に認められ、サブドレン※等の機能と併せ、地下水を安定的に制御、低下させることが可能になり、これにより汚染水の発生を大幅に抑制することが可能となったとの評価が得られました。
今後、建屋滞留水処理やサブドレン※水位低下などの重層的な対策に継続して取り組むとともに、建屋の屋根損傷部からの雨水流入を抑制する雨水対策や、埋設構造物等を介して建屋へ流入する経路の調査・対策を進め、汚染水発生量の更なる低減に向けて取り組みます。
※陸側遮水壁の内側に掘った地下水をくみ上げる井戸
◇2号機原子炉建屋西側開口の設置
2号機では、使用済燃料プール内の燃料取り出しに向けて、原子炉建屋の上部を全面解体する計画です。解体後も周辺環境に影響を与えないための方策等を検討するため、オペレーティングフロア※内で線量・ダスト濃度等を測定する調査を計画しています。
このたび、調査の準備が整ったことから、オペレーティングフロア※内へアクセスするための開口設置作業を前室内で4月から開始します。なお、開口の設置作業にあたっては、室内空気の浄化や飛散防止剤の散布等により、ダストの飛散を抑制します。
引き続き、安全を最優先に作業を進めていきます。
※点検や燃料の交換などを行う原子炉建屋の最上階
原子炉建屋西側の状況