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いちえふのいま

2019年1月29日

福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ進捗状況

取り組みの状況

 ◆1~3号機の原子炉・格納容器の温度は、この1か月、約15℃~約30℃※1で推移しています。
 また、原子炉建屋からの放射性物質の放出量等については有意な変動がなく※2、総合的に冷温停止状態を維持していると判断しています。

※1 号機や温度計の位置により多少異なります。
※2 1~4号機原子炉建屋からの放出による被ばく線量への影響は、2018年11月の評価では敷地境界で年間0.00022ミリシューベルト未満です。
 なお、自然放射線による被ばく線量は年間約2.1ミリシーベルト(日本平均)です。

残留物の移動・片付けの様子 γカメラ撮影の様子
◇ 1号機原子炉建屋北側屋根鉄骨の撤去に向けて支障物がなくなりました
北側支障物撤去の状況

 使用済燃料プールからの燃料取り出しに向けて、Xブレースの撤去及び北側ガレキ撤去を進めています。 Xブレースは、12月20日に計画していた4か所の撤去が完了しました。
 また、北側崩落屋根のうち、ルーフブロック等・屋根スラブ・デッキプレートの撤去が完了し、1月より屋根鉄骨を分断した上で撤去作業を開始する予定です。

◇ 2号機原子炉格納容器内部の堆積物の接触調査を行います
今回の調査場所及び調査ユニット

 2018年1月の原子炉格納容器(以下、PCVという)内部調査では、既設設備に大きな変形・損傷がないこと、ペデスタル底部全体に堆積物があることを確認しました。今回は、堆積物の性状(硬さや脆さ)を把握するため、前回使用した調査ユニットをフィンガ構造に変更し、フィンガを堆積物に接触させる調査を実施します。
 調査にあたっては、従来と同様、PCV内の気体が外部に漏えいしない対策を行うとともに、万が一漏えいした場合においても、周辺環境へ影響を与えないよう、ダスト濃度を監視しながら作業を進めます。
 今後、習熟訓練を行い、2019年2月頃に調査を実施する予定です。

◇ 3号機燃料取り出しに向け、着実に作業を進めています

 9月より実施している安全点検では、14件の不具合が確認されましたが、これらについては1月中旬を目途に適宜対策を行っています。また、合わせて実施している品質管理確認では、発注仕様や記録等を基に全構成品(79機器)の信頼性の評価を実施し、記録等にて確認できないものに対する追加の安全点検等も含め妥当である事を確認しました。
 燃料取扱設備は、不具合発生時も燃料・輸送容器等を落下させないなど安全上の対策を施していますが、万が一、燃料取出し作業中に不具合が発生した場合でも、速やかに復旧出来るよう、手順の策定や体制の構築、予備品の準備等を進めていきます。
 これらを踏まえ、2019年3月末の取り出し開始を目標に、不具合対応、復旧後の機能確認、燃料取り出し訓練を確実に進めます。

残留物の移動・片付けの様子 γカメラ撮影の様子
◇ 防潮堤設置により津波リスクの低減を図ります
今回の調査場所及び調査ユニット

 切迫性の高い千島海溝津波に対して、建屋流入に伴う建屋滞留水の増加と流出を防止し、福島第一全体の廃炉作業が遅延するリスクを緩和することを目的に防潮堤を設置します。
 設置する防潮堤は鉄筋コンクリート製L型擁壁とし、防潮堤高さT.P.+11.0mを確保することとしています。
 現在、実施中の廃炉作業への影響を可能な限り小さくし、2020年度上期の防潮堤の設置完了を目標に、検討・工事を進めます。

◇ 2号機格納容器内圧力の減圧により放出リスクがさらに低減しました

 原子炉格納容器(以下、PCVという)は、水素濃度を低減させるため、窒素を封入し正圧を保っています。放射性物質の放出リスクの低減や今後のPCV内部調査時の作業性向上を目的に、PCVの設定圧力を大気圧+2kPaまで減圧する減圧試験を行いました(10/2~11/30)。

 試験の結果、プラントパラメータやダスト濃度に有意な変動は確認されませんでした。

 本試験の結果を踏まえ、12/1よりPCVの設定圧力を大気圧+2kPaで運用しています。

※:試験前のPCV設定圧力:大気圧+4.25kPa

◇ アンケートの結果を踏まえ更なる労働環境改善を進めます

 福島第一の労働環境の改善に向けたアンケート(9回目)を実施し、約5,000人の作業員の方から回答を頂きました(回収率は前回比2.9%増の約94%)。その結果、福島第一原子力発電所で働くことのやりがいについて、約78%の方々に「やりがいを感じている」「まあやりがいを感じている」と評価を頂いております。

 一方で、入退域管理施設までの移動のしやすさについては、25%を超える方々より「移動しにくい」「あまり移動しやすくない」と評価を頂きました。この理由として「降雨・降雪時に雨具等が必要」が最も多い結果となりました。

 引き続き、作業員の皆さまから頂いたご意見を踏まえ、改善を行っていきます。

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