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いちえふのいま

2019年3月25日

福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ進捗状況

取り組みの状況

 ◆1~3号機の原子炉・格納容器の温度は、この1か月、約15℃~約25℃※1で推移しています。
 また、原子炉建屋からの放射性物質の放出量等については有意な変動がなく※2、総合的に冷温停止状態を維持していると判断しています。

※1:号機や温度計の位置により多少異なります。
※2:1~4号機原子炉建屋からの放出による被ばく線量への影響は、2019年1月の評価では敷地境界で年間0.00022ミリシーベルト未満です。
なお、自然放射線による被ばく線量は年間約2.1ミリシーベルト(日本平均)です。

◇ 1号機燃料取り出しに向けた開口部養生のための干渉物撤去を完了
ウインチ・ヒンジ撤去前・撤去後

 使用済燃料プール(以下、SFP)からの燃料取り出しに向けて、開口部養生のためのウインチ等の干渉物撤去を2月19日に完了しました。
 3月より開口部を養生し、SFP周辺小ガレキの撤去を進めます。

◇ 2号機オペフロ残置物移動・片付け後調査の結果
今回得られた汚染密度分布

 使用済燃料取り出しに向けて、オペフロ内残置物移動・片付け後の調査を2月1日に完了しました。
 今回の調査では、オペフロ内の床・壁・天井の線量測定、汚染状況などを確認しました。
 調査の結果より解析を行い、オペフロ全域の『汚染密度分布』を得ることができました。これによりオペフロ内の空間線量率を評価することが可能となりました。
 今後、燃料取り出しに向け、汚染密度分布を用い、遮へい設計や放射性物質の飛散対策等を検討していきます。

◇ 3/4号機排気筒からの落下物を踏まえ、構内排気筒の臨時点検を実施
劣化が疑われる足場材

 1月9日に確認された3/4号機排気筒からの足場材落下を踏まえ、立ち入り規制等の安全対策を行っています。これに加え、構内にある全4本の排気筒の臨時点検として、1月11日から17日にかけて、望遠カメラによる撮影を実施しました。
 今回、落下したものと同様の足場材や手摺り等を確認した結果、劣化の進行が疑われる足場材があることを確認しました。
 今後、さらに近接した位置からの状況確認のため、ドローンを用いた調査を行うとともに、屋根付き通路の設置などの安全対策を今年度内を目途に実施します。

◇ 3号機燃料取り出しに向け、模擬燃料等を用いた訓練を実施中

 3月末の燃料取り出しに向けて、ケーブル復旧後の機能確認を2月8日に完了しました。
 2月14日より不具合発生時の復旧対応等の確認や模擬燃料・輸送容器を用いた燃料取り出し訓練を進めています。
 燃料取り出しは、燃料取扱設備を遠隔で操作し、燃料上部の小がれきを撤去した上、燃料を構内輸送容器に入れ、構内の共用プールへ輸送する計画で、安全を最優先に着実に進めます。

◇ 1号機PCV内部調査の事前準備(穿孔作業におけるPCVの減圧)

 アクセスルートを構築する際のX-2ペネトレーション※1内扉等の穿孔作業時に、放射性物質を格納容器(以下、PCV)外へ漏らさない措置を講じるとともに、放射性物質の放出リスクをさらに低減させるため、PCV圧力を大気圧と同程度まで減圧※2します(2019年度初め頃開始し、作業完了後圧力を元に戻す予定)。

※1:所員用エアロック
※2:現在の1号機のPCV圧力:大気圧+0.5~1.5KPa程度

◇ 2号機原子炉格納容器内の堆積物への接触調査の実施
接触調査の実施状況

 格納容器内に確認された堆積物の性状(硬さや脆さなど)を把握するための接触調査を2月13日に実施しました。
 今回の接触調査により、小石状等の堆積物を把持して動かせること、把持できない硬い岩状の堆積物が存在する可能性があることを確認するとともに、調査ユニットをより接近させることで、堆積物の輪郭や大きさの推定に資する映像や、線量・温度データを取得できました。
 今回の調査結果を活用し、2019年度下期の内部調査や取り出し方法の検討等を進めていきます。

◇ サイトバンカ建屋への地下水等の流入調査の結果

 2018年11月中旬より流入量が増加しているサイトバンカ建屋について、仮設ポンプによる地下階の水抜き後に、流入状況調査を行いました(2月21日)。
 その結果、壁面からの地下水の流入は確認されませんでしたが、各階のドレンファンネル(排水設備)と接続されている地下階のサンプタンクへ水が流入し、サンプピット内に溢れていることを確認しました。
 今回の調査結果を踏まえ、ドレンファンネルへの流入経路の調査等を行います。

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