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いちえふのいま

2019年6月19日

福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ進捗状況

取り組みの状況

 ◆1〜3号機の原子炉・格納容器の温度は、この1か月、約15℃〜約25℃※1で推移しています。
 また、原子炉建屋からの放射性物質の放出量等については有意な変動がなく※2、総合的に冷温停止状態を維持していると判断しています。

※1 号機や温度計の位置により多少異なります。
※2 1〜4号機原子炉建屋からの放出による被ばく線量への影響は、2019年4月の評価では敷地境界で年間0.00022ミリシーベルト未満です。
 なお、自然放射線による被ばく線量は年間約2.1ミリシーベルト(日本平均)です。

◇ 1号機PCV内部調査に向けた、X-2ペネの内部状況を確認

 原子炉格納容器(以下、PCV)内部調査に向けた、アクセスルート構築作業として、X-2ペネトレーション(以下、ペネ)外扉3箇所の穿孔作業が終了しました。

 X-2ペネ内部の状況を確認した結果、内扉前に堆積物があることを確認しました。堆積物は、内面の塗装が剥げて堆積したものと推定していますが、現在、性状を把握するための検討を進めています。

 6月上旬からの内扉穿孔作業開始に向けて、堆積物の一部を除去し、穿孔装置の設置を進めていきます。

◇ 2号機オペフロ南側開口からの燃料取り出し工法の検討を開始

 2号機燃料取り出しに向けた作業計画立案のため、2018年11月〜2019年2月にオペフロ内調査を行い、2011年〜2012年に実施した調査結果と比較して、空間線量率が低減している傾向を確認しました。

 これにより、オペフロ内でも限定的な作業であれば実施出来る見通しが得られました。建屋解体時のダスト飛散リスク低減のため、より安全・安心に工事を進める観点から、オペフロ上部をできるだけ解体せず、南側からアクセスする工法も含めた検討を進めています。

燃料取り出し工法のイメージ図
◇ サイトバンカ建屋への流入箇所を発見

 2018年11月中旬より流入が継続しているサイトバンカ建屋について、5月23日に地下1階メンテナンスエリアのファンネル内部の側面より地下水が流入している事を確認しました。

 当該箇所以外からの流入経路の確認のため、ドレンサンプタンク側からのドレン配管にカメラを挿入した結果、当該箇所方向からの流入が確認されました。また、ファンネル内部の側面からの流入量とドレンサンプタンクへの流出量が概ね一致することから、当該箇所が流入源であると推定しました。

 今後、確認された流入箇所について、閉塞等の対策を検討していきます。

◇ 1/2号機排気筒解体開始時期を変更

 1/2号機排気筒解体に向けて、5月11日に解体時に用いるクレーンに模擬解体装置を使用し、排気筒最頂部に設置が可能か確認を行ったところ、計画時の吊り代と実際の吊り代に差違があり、クレーンを近づけた上でブームを起こすなどの追加作業が必要であることが確認されました。

 今後、工程や他の廃炉作業への影響を考慮した上で、安全に作業が出来る手法を選定し、安全最優先で進めます。

※:クレーンのフックから排気筒頂部までの距離

◇ メガフロートを1〜4号機取水路開渠内へ移動完了
メガフロート移設ステップ図

 津波リスクの低減を目的に、メガフロートの移設工事を進めており、移動の際に海側遮水壁を保護するための防衝盛土の設置を完了したことから、 1〜4号機取水路開渠内への移動を5月16日に完了しました。また、メガフロート内部のバラスト水の処理・除染及び、着底マウンドの造成にも着手しています。

 なお、移動中及び移動後の工事においても、港湾内の環境モニタリングを継続しており、これまでに有意な変動は確認されていません。

 2020年度上期のメガフロートの津波リスク低減対策完了を目標に、安全最優先で作業を進めていきます。

◇ 2号機原子炉注水停止試験を実施

 緊急時対応手順の適正化などの改善を図ることを目的に、短時間の原子炉注水停止試験(3.0㎥/hから0.0㎥/h)を5月13日に実施しました(試験は5月24日に終了)。

 注水停止中の原子炉圧力容器(以下、RPV)底部の温度上昇率は0.2℃/h以下と予測と同程度であること、試験中のRPV底部温度や原子炉格納容器温度も概ね予測の範囲内で変動していることを確認しました。また、ダスト濃度等のその他パラメータに異常は確認されませんでした。

 今後、予測データと試験データとの差異や、温度計設置位置による挙動の違いなどの評価を行うとともに、より適切な緊急時対応手順の見直し等に活用していきます。

原子炉注水停止試験のRPV底部温度の推移

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