2019年9月18日
福島第ー原子力発電所の廃止措置等の進捗状況
◇ 1号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業に向けて
~1号機使用済燃料プール内の透明度を確認~
何を行ったのか?
使用済燃料プール上にある崩落屋根を撤去するにあたり、作業時にガレキ等が落下した時、プール内に保管している燃料への影響を極力抑えるように、プール水面に養生の設置を計画しています。この準備作業として、8月2日に水中カメラを用いてプールの透明度調査を実施いたしました。その結果、照明設備等を用意することで7m程度の視界があることを確認しました。透明度以外には、燃料取扱機のケーブルが垂れ下がり水没していることや燃料ラック上面にガレキが堆積していること等を確認いたしました。
※チャンネルボックス着脱機:燃料集合体を覆っている四角い筒状のものを取外し、取付けする装置
今後、どうするのか?
今回の調査結果を踏まえ、9月上旬に伸縮可能なクレ一ンに水中カメラを設置し、使用済燃料プール上層部全域の干渉物調査を実施予定です。
◇ 〜1号機ウェルプラグ※内の撮影および空間線量率を測定〜
何を行ったのか?
使用済燃料プールからの燃料取り出しに向けた課題のひとつに作業エリアの放射線量低減があります。ウェルプラグについては、事故時の水素爆発の影響により正規の位置からズレが生じたと考えられています。放射線量低減対策を検討するにあたり、ウェルプラグ内部の調査を7月17日より8月26日まで実施いたしました。調査結果より、ウェルプラグ全体のズレや傾き、プラグ同士の位置関係等が確認できました。また、空間線量率については、中段中央プラグの中央部付近が測定されたなかで最も高いことを確認しました。
今後、どうするのか?
今回の調査結果や各種データ等を9月末には取りまとめ、ウェルプラグのズレに対する対応(移動、遮へい、除染等)を検討してまいります。
◇ 3号機使用済燃料プールからの燃料の取り出し作業に向けて
~3号機燃料取り出し作業を9月上旬から再開へ~
何をしたのか?
7月24日から当初の計画どおり設備点検を実施するとともに、追加点検も実施いたしました。点検で確認された不具合については、補修や部品交換等を実施しました。
今後、どうするのか?
設備点検完了後に、燃料取り出し作業を再開する予定です。引き続き、周辺環境のダスト濃度を監視しながら、安全最優先に作業を進めてまいります。
◇ 1/2号機排気筒解体を8月30日から再開へ
何をしたのか?
事故時にベント※に使用した1/2号機排気筒を地上高120mから約半分に解体する作業を開始いたしました。筒身周りの電線管や梯子等の付属品切断作業を8月1日から開始し、6日に完了しました。7日より排気筒頂部の筒身の切断作業を進めており、約50%の切断を完了しました。切断作業中に筒身切断装置の一部に数回動作不良が確認され、作業を中断しましたが、その都度、原因を調査し、類似箇所を含め対策を講じた上で作業を再開しました。
(9月1日に19分割のうちの1分割目の作業を終了し、振り返りを行っています。)
※ベント:原子炉格納容器の圧力上昇による破損を防ぐため、放射性物質を含む蒸気を外部に排出すること
今後、どうするのか?
不具合等により、着手時の計画より約4週間の遅れが発生していますが、予備日等に作業することで2019年度内の解体完了を目標に、引き続き安全最優先で作業を進めてまいります。