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いちえふのいま

2019年10月17日

福島第ー原子力発電所の廃止措置等の進捗状況

◇ 【1号機】燃料デブリ取り出し作業に向けて
~アクセスルート構築に向け、ダストモニタ追設を検討~

 燃料デブリを取り出すには、原子炉格納容器内の燃料デブリの分布や既設構造物等の状態を調査する必要があります。その調査をするために、原子炉格納容器に孔をあけ、調査装置を挿入することを考えています。6月4日の穿孔作業中にダスト濃度を監視していたところ、モニタリングポスト、モニタリングポスト近傍のダストモニタに有意な変動は確認されておらず、周辺環境への影響はないものの、作業場近くの仮設ダストモニタでは、当社が設定した作業管理値に到達したため、一旦、立ち止まり、ダスト濃度のデータ確認・評価をし、データの拡充作業・評価を行ってきました。それらの評価結果を基に、 今後の作業における切削時間の適正化や原子炉格納容器近傍でのダスト濃度監視を充実させるための検討をしていきます。

 具体的には、原子炉格納容器の上蓋近傍に設置されている配管を利用し、ダストモニタを追設することを検討しています。オペレーティングフロアのダストモニタでは、これまでの作業で有意な変動は確認されていないことから、さらに原子炉格納容器に近い位置にダストモニタを設置することで、今までと同じ放出量であっても大気拡散が進む前の比較的高いダスト濃度が計測できる可能性があり、作業時間の拡大に際して、その作業量が適切かの検討に活用することが出来ると考えています。

◇ 【3号機】使用済燃料プールからの燃料取り出し作業に向けて
~燃料取り出し再開の見通し~

 7月24日から実施していた設備点検、追加点検が9月2日に完了いたしました。その後、燃料取り出しの再開に向けた設備の調整作業において、燃料取扱機の一部であるテンシルトラスとマストの旋回不良を確認いたしました。テンシルトラスについては、使用済燃料を取り出す際に障害となるガレキを撤去する装置の一部です。調整作業等を行い、9月10日よりガレキ撤去作業を進めましたが、9月25日に旋回不良が再発したため9月26日より再調整を含む点検を行っています。一方、マストについては、使用済燃料プールより燃料を取り出し、輸送容器に移す装置の一部です。旋回不良の原因は、旋回用の水圧モータの不具合と確認されたことから、交換準備を進めています。このため、燃料取り出し作業の再開は10月以降になる見込みです。

◇ 【1/2号機】1/2号機排気筒2ブロック目の解体を完了
メガフロート移設ステップ図

 1/2号機排気筒解体作業においては、装置の不具合が頻発し、みなさまにはご心配をおかけし申し訳ございません。地上120mでの解体作業のため、安全最優先に進めております。

 8月7日より頂部ブロックの筒身の切断作業を開始し、9月1日に頂部ブロックの解体を完了いたしました。その後、作業の振り返りを行い、9月12日より2ブロック目の解体作業を開始し、作業準備中の通信設備の不具合や台風による作業休止があったものの、9月26日に2ブロック目の解体を完了いたしました。2ブロック目の解体作業の振り返り、および装置の点検整備などを実施し、10月7日より3ブロック目の解体作業を開始いたしました。10月9日以降は、台風19号対策としてクレ一ンを伏せる等し、工事を中断いたします。当初の計画から遅延日数が多くなってきていることから、4ブロック解体後に振り返りを再度行い、施工計画と工程の見直しを検討いたします。

◇ 【共通】千島海溝津波に対する防潮堤の設置を開始
メガフロート移設ステップ図

 切迫性の高いとされている千島海溝津波に対して自主的な安全対策として防潮堤設置を進めています。防潮堤設置の目的は、以下の2点です。
①T.P.+8.5m盤の浸水を抑制し、建屋流入に伴う滞留水の流出と増加を防ぐ
②T.P.+8.5m盤に設置された重要設備の津波被害を軽減することにより、発電所全体の廃炉作業が遅延するリスクを緩和すること

 防潮堤は、既設の防潮堤から約600m延長させます。7月29日より着手し、既設設備の撤去、移設やL型擁壁基礎コンクリート打設等の準備作業を実施してきました。9月23日より初回据付範囲約80mにL型擁壁の据付を開始し、9月27日に完了いたしました。

 2020年度上期の完成に向けて、段階的に作業を進めていきます。

※T.P.: 東京湾平均海面(Tokyo Peil:T.P.)で、全国の標高の基準となる海水面の高さ

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