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いちえふのいま

2019年12月23日

福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況

◇ 【1号機】使用済燃料プールからの燃料取り出し作業に向けて
 〜燃料取り出しに向けて、大型カバー先行設置案を検討〜

 燃料を取り出すには、使用済燃料プール周辺のガレキ等を片付け、作業スペースを作る必要があります。そのため、2018年1月からオペレーティングフロア※1(以下、オペフロ)のガレキ撤去作業を進めています。また、ガレキ撤去作業と並行して次の調査も進めてきました。
 〇天井クレーンや燃料取扱機等がある南側の崩落屋根下の状態
 〇使用済燃料プールに隣接し、事故時の水素爆発の影響により正規の位置からズレていると考えられるウェルプラグ※2の汚染状況等

 これらの調査結果より、今後、崩落した屋根等の撤去作業を進めていくには、ダスト飛散に留意したより慎重な作業が求められることから、これまで検討してきた「ガレキ撤去完了後に燃料取り出し用のカバーを設置する」(案1)と「先に原子炉建屋を覆う大型カバーを設置し、カバー内でガレキ撤去を行う」(案2)について今年度内を目途に検討を進めていきます。

※1 オペレーティングフロア:点検や燃料の交換等を行う原子炉建屋の最上階
※2 ウェルプラグ:原子炉格納容器上に被せるコンクリート製の3段の蓋
※3 SFP:使用済燃料プール

オペフロ西側立面・オペフロ平面(2019年5月撮影)・エ法(イメージ)
◇ 【1号機】使用済燃料プールからの燃料取り出し作業に向けて
 〜原子炉格納容器上蓋の状況を確認〜

 燃料デブリを取り出すには、原子炉格納容器(以下、PCV)内の燃料デブリの分布や既設構造物の状態を調査する必要があります。その調査をするために、PCVに孔をあけ、調査装置を挿入することを考えています。その穿孔作業中のダスト濃度監視をより充実させるため、PCV上蓋近傍に作業用ダストモニタを設置しました。設置作業の一環として、設置環境の状況確認のために挿入したカメラを活用し、PCV上蓋の状況を確認しました。取得した映像から、PCV上蓋やそのフランジ部に著しい損傷や大きな変形は確認されませんでした。フランジ部は、事故時の放射性物質の主要な漏えい経路であると推定されてきたものであり、その状況を確認することは今後の事故解明の観点から意義が大きいと考えています。

※ フランジ部:PCV上蓋とPCV胴部をボルトにより固定している部分

撮影箇所イメージ・PCV上蓋の状況(合成)・PCVフランジの状況
◇ 【1/2号機】1/2号機排気筒4ブロック目の解体を完了
解体計画概要図

 10月27日より筒身とそれを支える鉄塔の解体を開始しました。11月27日、切断完了まで残りわずかのところで、チップソー※1の刃が筒身に噛み込み、その解消に向けていろいろと試みましたが、解消が困難であることから、作業員が搭乗設備を用いて昇筒し、グラインダー※2にて筒身を切断することとしました。作業に向けて、以前の解体作業訓練に加え、より実作業と近い条件下での筒身切断訓練等も実施して臨みました。その結果、12月4日に4ブロック目の解体を完了しました。

 今後は、これまでの作業の振り返りを行い、より安全に作業ができるよう、作業改善に努めます。

※1 チップソー:円盤状の鉄の外周部分にノコギリの山を作り、先端に超硬チップを取り付けたもの
※2 グラインダー:研削砥石を使用し、その回転運動によって加工物の表面の研削または切断を行う機械

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