1 FOR ALL JAPAN 廃炉のいま、あした

新着情報

いちえふのいま

2020年6月17日

福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況

◇ 【3号機】汚染水発生抑制対策
〜タービン建屋の雨水対策のうち屋根損傷部への流入防止せきの設置作業に着手〜
これまで

タービン建屋の屋根から侵入した雨水は、燃料デブリを冷却するために注入している水と合流し汚染水となります。汚染水の増加防止を目的にタービン建屋の雨水流入対策作業を進めており、これまで、ガレキを吸引する装置をつり上げるための大型クレーン作業場所の整備や屋根上部のガレキ撤去を行ってきました。

大型クレーン作業場所の整備完了、吸引装置で屋根上部のガレキを吸引している様子
今回

 2019年7月より実施していたタービン建屋の屋根上部のガレキ撤去が約98%完了しました。
 また、5月18日より屋根損傷部(左下図の白点線部)への雨水流入防止せきの設置作業として、損傷部周辺にコンクリート基礎の打設を開始しました。

3号機タービン建屋屋根面対策の全体像 タービン建屋屋根状況
これから

 コンクリート基礎の打設後、鋼材を設置し高さ60cmのせきを作っていきます。
 雨水流入防止せき 設置完了後、屋根損傷部からの雨水の直接流入を防止するための雨水カバー設置や、屋根面に接触した雨水の放射能濃度低減のための防水塗装等を2020年度上期完了を目標に実施していきます。

◇ 【3号機】使用済燃料プールからの燃料取り出し作業に向けて
〜ハンドル変形燃料の吊り上げ試験を実施〜
これまで

 使用済燃料プールに保管されていた566体のうち6月7日現在、147体の燃料取り出しを完了しています。3月30日より法令に基づくクレーン点検に併せ燃料取扱機等の点検、作業員増員のための追加訓練を実施し5月23日に問題なく完了しました。

今回

 使用済燃料の取り出しは、燃料集合体に取り付けられているハンドルを燃料取扱機の掴み具で把持し吊り上げるようにして取り出しますが、事故時の水素爆発によりガレキ等が使用済燃料プールに入り燃料集合体のハンドルが変形してしまっているものが4月27日時点で15体確認されています。5月21日、22日にハンドル変形燃料15体のうちの10体の吊り上げ試験を実施しました。

試験結果

7体:吊り上げ可能
3体:吊り上げ不可(事前に定めた荷重で持ち上げ不可)

 その後、5月25日の作業時に新たに1体のハンドル変形燃料を発見し計16体となりました。
 また、5月26日よりハンドルが変形していない燃料の取り出しを開始しました。
 ※事前に定めた荷重:大きくハンドルが変形した燃料に吊り上げ荷重を付与しても影響ないと評価等で定めた荷重。荷重計の表示値で約700kg。

燃料集合体外観図
これから

 燃料収納管と燃料本体の隙間に細かなガレキが入り込んだ等の理由により吊り上げられなかったハンドル変形燃料の本体に、異常は確認されておりません。今後取り出し方法について早期に検討します。
 引き続き、2020年度末の燃料取り出し完了に向け、安全を最優先に取り出し作業を進めていきます。

このページの先頭へ↑