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いちえふのいま

2021年1月26日

福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況(12月)

◇ 【共通】建屋内滞留水処理の目標を達成
これまで

循環注水を行っている1~3号機原子炉建屋、地下階に高線量のゼオライト土嚢を設置しているプロセス主建屋、高温焼却炉建屋を除く建屋の最下階床面を2020年内に露出させる計画をしていました。

1~3号機原子炉建屋、プロセス主建屋、高温焼却炉建屋を除く建屋について、これまでも仮設ポンプや本設ポンプにより床面露出状態を維持してきましたが、本設の予備系ポンプ設置を進め、予備系の設置が完了したことから、3・4号機は2020年11月18日、1・2号機は12月22日より運用を開始しました。

今回

中長期ロードマップのマイルストーン(主要な目標工程)のうちの1つである、2020年内の1~3号機原子炉建屋、プロセス主建屋、高温焼却炉建屋を除く建屋の床面露出について、建屋内滞留水の水位を低下させ、「建屋内滞留水処理完了」の目標達成を12月24日に確認しました。

1~4号機の滞留水処理の状況
これから

今後は、原子炉建屋滞留水を2020年末の半分程度の低減に向け(2022~2024年度)、引き続き取り組んでまいります。

今後の建屋滞留水処理計画
  • ※ ゼオライト土嚢:脱臭や水質浄化効果のある多孔質構造のゼオライトを土嚢に入れ、震災直後の汚染水対策のために設置したもの。
  • ※ 1号機廃棄物処理建屋は、地下階の堰の貫通施工を実施し、流入した地下水・雨水等を2号機廃棄物処理建屋へ排水させることで、これまで床面露出を維持していたが、今回の工事に合わせて、他建屋同様、床ドレンサンプへ本設ポンプを設置。
  • ※ T.P.(Tokyo Peil):東京湾平均海面から高さを示す。
◇ 【共通】二次処理性能確認試験の結果、濃度低減を確認
これまで

福島第一原子力発電所構内で溶接タンクに貯留している多核種除去設備(以下、「ALPS」)等処理水のうち、トリチウムを除く告示濃度限度比総和が1以上のALPS処理水は、放射性物質を告示濃度比総和1未満に低減するため、二次処理(再浄化)を実施する方針としています。二次処理の性能確認試験については、ALPSによる二次処理でトリチウムを除く告示濃度限度比総和が1未満となることを検証するとともに、核種分析の手順・プロセスの確認等を目的に行います。2020年9月15日より、トリチウムを除く告示濃度限度比総和が100以上のタンク群のうち、高い濃度のタンク群(J1-C群)及び低い濃度のタンク群(J1-G群)について、各々約1,000㎥処理(合計約2,000㎥)を実施しました。

各タンク群については、二次処理前後でサンプリングした水の分析が完了し、二次処理前(下図①ALPS装置入口)に比べて、二次処理後(下図②サンプルタンク)では放射性物質の濃度が低減されていることを確認しました。

対象タンク群→増設ALPS→サンプルタンク→ALPS処理水受タンク(新設※)
今回

除去対象62核種+炭素14の告示濃度限度比総和は、以下の通りです。
●高い濃度のタンク群(J1-C群) 【前】2,406 →【 後】0.35
●低い濃度のタンク群(J1-G群) 【前】 387 →【 後】0.22
いずれのタンク群も、処理によりトリチウムを除く、除去対象62核種+炭素14の告示濃度限度比総和が1未満となることを確認しました。

二次処理による処理前後の放射性物質の濃度比較
これから

引き続き、分析に係る課題の抽出やその検討を進めてまいります。

  • ※ 告示濃度限度比総和:放射性物質毎に法令で定める告示濃度限度に対する濃度の比率を計算し合計したもの。
  • ※ 告示濃度限度:水中や大気中などに1種類の放射性物質が含まれる場合について、その濃度の限度をさだめたもの。

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