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いちえふのいま

2021年8月25日

福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況(7月)

今回は、ALPS処理水を用いた海洋生物の飼育試験に関する検討状況と2号機の燃料取り出しに向けた除染作業模擬試験が完了したことについてお伝えいたします。

  • ※ ALPS処理水:トリチウム以外の放射性物質が、安全に関する規制基準値を確実に下回るまで、多核種除去設備等で浄化処理した水
◇ 【共通】海洋生物の飼育試験に関する検討状況
これまで

2021年4月16日に公表した「多核種除去設備等処理水の処分に関する政府の基本方針を踏まえた当社の対応について」のなかで、ALPS処理水を大量の海水で希釈して、トリチウム濃度1,500ベクレル/㍑未満にしてから放出することをお示ししています。また、ALPS処理水を含む海水環境における海洋生物の飼育試験の準備を進めていることについてもお示ししておりました。

今回

ALPS処理水を用いた海洋生物の飼育試験に関するおおよその計画がまとまり、2021年7月29日に現在の検討状況についてお示しいたしました。

【目的】

ALPS処理水を含む海水環境において、実際に海洋生物を育成し、これまで得られている科学的知見に照らすとともに、その状況をお示ししていくことでALPS処理水の処分方法についてご理解いただき、風評影響の抑制につなげていく。

ALPS処理水の海洋放出開始前後の表
これから

現時点で把握している課題の検討や飼育設備の設計等を進め、2021年度第3四半期(10月~12月)から発電所周辺の海水での飼育(水槽①)の練習、飼育上の課題に対して取り組んでいく予定です。

◇ 【2号機】燃料取り出しに向けた除染作業の模擬試験完了について
これまで

燃料取り出しに向けて、原子炉建屋最上階の線量低減対策を実施しています。その一環として、2020年12月に原子炉建屋最上階の残置物の移動、片付け作業が完了し、原子炉建屋最上階の環境が変化したことから、2021年2月から3月にかけて空間線量率と表面汚染密度の測定を実施しました。この測定結果を用いて線量評価を行っていました。

今回

線量評価の結果、2018年度より2割程度低い線量評価が得られました。

さらなる線量低減に向けて、原子炉建屋最上階の天井、天井クレーン、天井トラス(※)、壁面、床面を除染します。その作業に向けて、現場を模擬した試験を楢葉町にある遠隔技術開発センターで実施し2021年7月21日に完了しました。

  • ※ 天井トラス:天井部の構造強度を高める骨組みの部分
除染作業模擬試験様子の写真
これから

8月中旬以降から、原子炉建屋最上階の除染作業に取り組み、線量低減効果を確認しながら目標線量1ミリシーベルト/毎時に近づけてまいります。

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