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いちえふのいま

2021年12月22日

福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況(12月)

今回は、「多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価(設計段階)」についてお伝えいたします。

◇ 多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に関する放射線影響評価(設計段階)
目的

当社は2021年4月に政府が決定したALPS処理水の処分に関する「基本方針※1」をふまえて検討した設備設計と運用※2で、ALPS処理水を海洋放出した場合の、人および環境への放射線影響を評価しました。

本評価は、国際的に認知された手法に従って実施しております。

  • ※1 「東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針」
  • ※2 「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する検討状況【概要】」
放射線影響評価の方法と結果
  • 当社が検討した設備設計や運用に則りALPS処理水を海洋放出した場合の人および環境への放射線の影響について、国際的に認知された国際原子力機関(IAEA)の安全基準文書、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に従って、その安全性を評価しました(下の図を参照)。
  • 人への影響評価結果は、年間0.000017~0.0021ミリシーベルト※3であり、1年間に自然放射線を受ける量(日本平均)年間2.1ミリシーベルトを大幅に下回る(約12万分の1~約1万分の1)結果となりました。
  • また、動植物(扁平魚・カニ・褐藻類)への影響評価結果は、1日あたり0.000017~0.0084ミリグレイ※4であり、ICRPが提唱する基準値である1日あたり1~10ミリグレイを大幅に下回る(約6万分の1~約120分の1)結果となりました。
  • この結果より、人および環境への影響は極めて小さいことがわかりました。
  • ※3 シーベルトは、放射線が「人」に当たった時の影響の大きさを表す単位です。
  • ※4 グレイは、放射線が「もの」に当たった時にどれくらいのエネルギーを「もの」に与えたかを表す単位です
放射線影響評価の結果の図
海洋における拡散シミュレーションについて
  • 発電所沖合約1kmの海底(海底トンネル出口)から放出した場合、表層において現状の周辺海域の海水に含まれるトリチウム濃度(0.1~1ベクレル/㍑)より濃度が高くなると評価された範囲(1~2ベクレル/㍑)は、発電所周辺の2~3kmの範囲に留まるとの結果(年間平均)となりました。
  • また、動植物(扁平魚・カニ・褐藻類)への影響評価結果は、1日あたり0.000017~0.0084ミリグレイ※4であり、ICRPが提唱する基準値である1日あたり1~10ミリグレイを大幅に下回る(約6万分の1~約120分の1)結果となりました。
  • また、海底トンネル出口付近では、30ベクレル/㍑程度を示す箇所も見られましたが、その周辺では速やかに濃度が低下しており、世界保健機関(WHO)の飲料水ガイドライン(1万ベクレル/㍑)を大幅に下回る結果となりました。
これから

「多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に関する放射線影響評価(設計段階)」に対し、幅広くみなさまからのご意見を伺います。また、IAEAの専門家他のご意見やレビュー等を通じて、適宜、評価を見直してまいります。

そして、継続的に、よりわかりやすいご説明に努めてまいります。

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