2022年9月20日
福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況(9月)
今回は、「2号機原子炉格納容器試験的取り出し(内部調査・燃料デブリ取り出し)作業の準備状況」「多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)希釈放出設備および関連施設等の設置工事の進捗状況」をお知らせします。
◇ 2号機原子炉格納容器試験的取り出しの工程見直し
これまで
2号機は、燃料デブリ取り出しの「初号機」として、2022年の試験的取り出しに向けて、「楢葉遠隔技術開発センターでの、現場を模擬したモックアップ設備による試験的取り出し装置(以下、ロボットアーム)の性能確認試験・操作員の操作訓練」「原子炉建屋での2号機格納容器貫通孔(X-6ペネ)※のハッチ開放にあたり、放射性物質の飛散を防止するため、隔離部屋(原子炉格納容器との隔離を行うためのハッチ開放装置等を設置する部屋)の設置」など準備を進めてきました。
- ※ 格納容器貫通孔(X-6ペネ):格納容器に機器の搬出入を行う既設の貫通孔
今回
- X-6ペネとペデスタル開口部の模型を使い伸縮するロボットアームを遠隔で操作し、接触等の問題がないか試験を実施しました。狭いペデスタル開口部を通過させる際に、接触しないようにロボットアームの操作性の向上を図る等の対策が必要なことがわかりました。
- ロボットアームの先端に搭載した燃料デブリ回収装置を、原子炉格納容器内部からペデスタル底部へアクセスし、デブリに見立てた物体(デブリ模型)を回収する試験を実施したところ、回収が可能なことを確認しました。
- 隔離部屋は、X-6ペネハッチ持ち手の切断とハッチ開放方法の変更、損傷が確認されたゴム製の収納部を、金属製の平板へ交換する対策など検討を進めています。
これから
- ロボットアームは折りたたみ式になっており、狭い場所を通過して燃料デブリを取り出します。その操作を遠隔で行うため、ロボットアームの角度や位置の精度を上げる必要があることから、制御プログラムの修正を実施します。
- 隔離部屋は、X-6ペネハッチ持ち手の切断とハッチ開放方法の変更、損傷が確認されたゴム製の収納部を、金属製の平板へ交換する対策など検討を進めています。
今後の工程
- 今回、試験を踏まえた対応状況や、現場における対策等が整理されたことも踏まえ、試験的取り出し作業の安全性と確実性を高めるため、さらに一年から一年半程度の準備期間を追加し、2023年度の後半目途に着手する工程に見直します。
- 燃料デブリの試験的取り出しは福島第一原子力発電所の廃炉工程において重要な作業であることから、確実に遂行するために、今後も、安全かつ着実に取り組みます。
◇ ALPS処理水希釈放出設備および関連施設等の設置工事を開始
8月4日より、ALPS処理水希釈放出設備および関連施設等の設置工事を開始しています。
引き続き、安全最優先で作業を進めてまいります。