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いちえふのいま

2023年11月17日

福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況

2号機 原子炉格納容器内部調査・燃料デブリ試験的取り出しに向けて

1~3号機の原子炉格納容器の中には、「燃料と燃料を覆っていた金属の被覆管などが溶け、冷えて固まった燃料デブリ」があります。燃料デブリ取り出しは2号機を初号機と設定し現在、「原子炉格納容器の内部調査」や「試験的取り出し」を開始する準備をしています。

燃料デブリ試験的取り出し作業の主なステップ

5号機原子炉格納容器の
内側より撮影

原子炉格納容器には、内部へと通じる「原子炉格納容器貫通孔 X-6ペネトレーション(以下、X-6ペネ)」があります。原子炉格納容器内部は放射線量が高いためこの「X-6ぺネから遠隔操作ロボットを使用して試験的取り出しを行う」計画です。

※原子炉の出力をコントロールするための「制御棒」を動かす装置の交換等に使用されていました。

福島第一原子力発電所における燃料デブリの取り出しは、世界でも前例のない取り組みです。燃料デブリの性状等に関する情報が十分に把握できていないため、作業を進めながら、徐々に得られる情報に基づいて、柔軟に方向性を調整していきます。

準備作業の進捗状況について

本年10月、X-6ペネの蓋を固定している24本の「ボルト・ナットの切断・取り外し」が完了し、「X-6ペネの蓋の開放」を行いました。それにより、蓋の入口付近が堆積物で覆われていることを確認しました。
なお、作業にあたっては、隔離部屋周辺に設置している作業管理用ダストモニタ指示値を確認しながら慎重に進めています。

作業の過程で、ボルトが固着している状態であったため、ボルト切削ツールを使用しボルトとナットの締結を解除。その後、ボルトを押し込んで取り外しました。

専用装置を使用し、蓋を90度開放しました。その際、ダストの上昇など、異常がないことを確認しました。

遠隔操作ロボットを投入するために、今後は「堆積物除去装置」をX-6ペネに接続し原子炉格納容器内部へ押し込む形で除去作業を進めていきます。
一方、蓋の開放準備作業においてボルトが固着していたこと等を踏まえ、X-6ペネ内の堆積物が完全に除去できない場合でも燃料デブリを取り出すことができる手法の検討も進めています。

ALPS処理水の海洋放出について

10月23日に第2回の海洋放出が完了し、11月2日から第3回の放出を開始しました。
初回放出開始以降、海水中のトリチウムについて、東京電力が毎日実施する迅速な分析の結果等から「放出が計画どおりに基準を満たして安全に行われていること」を確認しています。2023年度は計4回の海洋放出を計画しています。

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