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いちえふのいま

2024年7月18日

福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況(7月)

◇ 敷地確保に向けたタンク解体について

2024年度のALPS処理水(以下、処理水)海洋放出は、全7回計画しており、現在、3回目の放出を行っています。
処理水海洋放出に伴い、今後処理水の貯蔵に使用しないタンクは、計画的に解体を行い、廃炉に必要な施設を建設する敷地を確保していきます。今回は、 溶接型タンクでは初めての解体となるJ8・J9エリアの解体時期と、震災直後に使用していた横置きタンクの解体時期について、お知らせします。

溶接型タンクの解体に向けて
  • ・J8・J9エリアのタンク解体は、海洋放出により水抜きが先行しているJ9エリアからの実施を予定しています。
  • J8・J9エリアのタンク21基の解体は、原子力規制委員会から解体に関する実施計画の認可を受けてから着手していきます。解体時期については、2024年度下期~2025年度末頃を予定しています。
    なお、解体の準備作業として、J9タンク内の残水を抜く処理や、今後の解体に支障となる周囲の干渉物等の撤去作業を7月以降、順次開始していきます。

J8・J9エリアのタンク解体は、溶接型のタンクとしては初めての解体となるため、手順等を確認し知見を蓄えながら、安全最優先で作業を進めていきます

横置きタンク(ブルータンク)の解体
  • ・横置きタンクは、震災直後に汚染水を処理した水(RO処理水※等)の貯蔵に使用していましたが、設置面積に対し貯蔵できる容量が少ないため、敷地を効率的に利用できる縦置きで容量が大きい溶接型タンクへの入れ替えを行いました。その後、タンク内の水抜きを行った上で、敷地内に仮置きしています。
  • ・横置きタンクの解体は、2024年5月に実施計画の認可を受けており、2024年7月中旬~9月末(予定)に専用の解体設備の設置工事が完了次第、タンク内部が汚染していない未使用のものから解体に着手していきます。
    全ての横置きタンク解体の完了は、2026年度中を予定しています。
  • ※セシウム吸着装置(サリー)等でセシウムとストロンチウムを除去した水から、さらに塩分を除去した水です。
◇ 熱中症予防対策について

福島第一原子力発電所の廃炉作業は、1日平均約4,500人の作業員の皆さんにより進められています。
廃炉の作業現場は、屋外もしくは空調設備のない屋内での作業となることもあり、夏場の熱中症対策は特に重要となります。福島第一原子力発電所では、4月~10月を熱中症予防対策期間として酷暑期に向けた各予防対策を実施しています。

主な熱中症予防対策と至近の発生状況

熱中症の予防対策を継続して実施してきたことにより、2023年の発症者数は2019年よりも半減しています

その反面、近年の酷暑の影響もあり、対策を行っていても毎年若干名が熱中症を発症しています。
暑さ指数の傾向からも、年々暑さが厳しくなっており、特に2023年の夏は暑さ指数の「危険(31℃~)」が例年に比べても多く、非常に暑い夏となりました。
そのため、当日の暑さ指数に基づいた対策を行っていても、熱中症を発症してしまった事例が発生しました。

  • ※WBGT値ともいわれ、熱中症の危険度を判断する指標です。暑さ指数は5段階(~21℃(ほぼ安全)、21~25℃(注意)、25~28℃(警戒)、28~31℃(厳重警戒)31℃~(危険))があり、段階ごとに予防するための生活や運動の目安が示されています。
2024年の熱中症予防対策

2023年までの予防対策に加え、体調の異変を感じたらすぐに言い出して「重症化を防ぐ」環境づくりに、作業に携わる全員で取り組みます。
また福島第一原子力発電所では、協力企業からの意見を反映した環境整備もあわせて実施していきます。

  • ・給水車とトイレの臨時配備を1か所から3か所に増やします。
  • ・休憩所に給水設備(水やスポーツドリンク)の設置を継続します。
  • ・エアコン故障時に早期修理対応ができるよう、予備品や修理業者の確保等の対策を行います。

2024年も酷暑が予想されています。体調不良をより言い出しやすい環境作りを行うと共に、引き続き熱中症予防対策を協力企業と一体となって取り組んでいきます

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