2025年7月18日
福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況
◇ 固体廃棄物屋外一時保管の解消作業について
当社は、発電所敷地境界の放射線影響をより一層低減させるため、屋外で一時保管している土壌を含むガレキ類や可燃物の焼却・減容処理を行い、容器に収納したうえで屋内(固定廃棄物貯蔵庫)へ保管しています。
今回は、屋外一時保管の解消に向けて、廃棄物の撤去作業を進めている2つの施設についてお知らせします。
覆土式一時保管施設(一時保管エリアL)の解消作業
震災当初に1~4号機周辺で発生した金属やコンクリート等のガレキ類の保管にあたり敷地境界の放射線影響を低減させるために、ガレキ類を2層の遮へい用の土等で覆った覆土式の一時保管施設です。

ガレキ類の上部を覆っている2層の覆土やシート等を撤去し、ガレキ類を取り出します。
取り出したガレキ類は可能な限り減容を行い、金属容器(コンテナ)に収納し屋内(固体廃棄物貯蔵庫)へ運搬します。

現在、4施設ある覆土式一時保管施設のうち、北東側のガレキ類取り出し作業を進めており2026年度上期の完了を予定しています。北東側施設の解消作業の実績を踏まえて、残る3施設の工程も並行して検討していきます。
一時保管エリアNの解消作業
放射性物質により汚染した土壌を土のう袋に回収、金属製容器(以下、ノッチタンク)に収納したうえで、汚染拡大防止策として堰および屋根を設置した一時保管エリアです。

ガレキ類撤去作業は、以下の手順①~⑥を繰り返し行います。


汚染拡大防止策
- 既存の堰(鋼製)の補強として、防錆・防水処理を行います。
- ノッチタンクから土のう袋を取り出す際は、事前に当該ノッチタンク周囲に仮堰を設置します。
- 雨水が土のう袋に接触する可能性があるため、土のう袋の取り出しや収納は、降雨・降雪等の天候を踏まえて作業を行います。

周辺道路の整備や堰の補強等の準備作業を行ったうえで、6月23日から「①屋根の撤去」作業を開始しました。
一時保管の解消作業は、ダスト飛散抑制策および汚染拡大防止策を行いながら、安全最優先で作業を進めていきます。屋外での一時保管の解消を計画的に進めることで、中長期ロードマップの目標工程である「2028年度内までに、水処理二次廃棄物および再利用・再使用対象を除く全ての固体廃棄物の屋外保管の解消」を目指します。