2025年9月18日
福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況
◇ 3号機 原子炉格納容器 内部調査について
今後の本格的な燃料デブリ取り出しに向けて、3号機の原子炉格納容器(以下、PCV)内部の更なる情報収集のため、手のひらサイズの超小型「マイクロドローン」による調査を実施します。
調査概要について
- 本調査では、2017年に水中遠隔装置で調査したペデスタル※1内を更に詳細に調査し、未調査エリアであるドライウェル(以下、D/W)※2 1階についても調査を行います。
- PCV内部への進入路は、2017年の調査で使用実績のあるX-53ペネトレーション(以下、ペネ)を活用する計画としており小口径(直径約140mm)でも投入が可能な超小型の「マイクロドローン」を活用します。
- 原子炉圧力容器を下部から支える鉄筋コンクリート製の円筒状の構造物です。
- 原子炉圧力容器を包み込むフラスコ型の部分です。

3号機 原子炉建屋縦断面図
マイクロドローン
「超小型」でありながら「機動性」と「撮影能力」の高い、マイクロドローンを使用して調査を行います。

調査イメージ

- CRDは、制御棒駆動機構(原子炉手動制御系からの信号により、制御棒(CR)を引き抜いたり挿入したりする設備)であり、CRDハウジングはそのCRDを収納している筐体となります。
- 制御棒駆動機構の交換などに使用されていたレールです。
調査エリアと調査内容について
- 調査エリアは、マイクロドローンが飛行できる範囲のD/W 1階、ペデスタル内を計画しています。
- X-6ペネ周辺やペデスタル内の情報収集を主目的として調査を実施します。2023年に実施した1号機のドローン調査同様、映像からの点群化※1および放射線ノイズを利用した線量率推定を実施予定です。
調査エリア

- 空間内の物体や地形を無数の点で表し、3次元データ化します。
一般的なドローンと比較しマイクロドローンは操作が難しいため、現場状況次第で調査内容を変更する可能性があります。そのため可能な限り多くの情報取得ができるよう、現場を模擬した環境での訓練を現在進めています。調査実施時期は、トレーニング等の進捗状況を踏まえて精査していきます。
調査結果の活用について
調査から得られた結果については、「燃料デブリ取り出し工法検討」および「今後のPCVや原子炉圧力容器(以下、RPV)の内部調査検討」等に活用していきます。
