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いちえふのいま

2025年10月20日

福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況

◇ 固体廃棄物貯蔵庫第11棟の建築準備工事着手

福島第一原子力発電所では、屋外に一時保管している固体廃棄物を、屋内でより適切に管理するため、固体廃棄物貯蔵庫の設置を進めています。今回は、固体廃棄物貯蔵庫第11棟の建築工事の進捗についてお知らせします。

第11棟の施設概要について
  • 第11棟では、以下の固体廃棄物を金属製の貯蔵容器(コンテナ)に収納した上で、一時保管します。
    • 廃炉作業に伴い発生するガレキ類
      可能な限り材質毎に分別を行う
    • 焼却設備から発生する焼却灰等
  • 施設は、廃棄物を保管する「貯蔵庫棟」と貯蔵庫棟への運搬を行うスロープを設けた「搬出入棟」で構成されます。
  • 搬出入棟は鉄骨造
第11棟の保管方式について
  • 地下1階・地上1階に高い線量の廃棄物(表面線量率1mSv/h超)、地上2~5階に低い線量の廃棄物(表面線量率1mSv/h以下)を保管していきます。
  • 貯蔵庫棟はフォークリフトでコンテナを効率的に段積みできるよう、壁で区画されたレーン構造となっています。
廃棄物関連施設(固体廃棄物貯蔵庫等)整備の必要性
  • 福島第一原子力発電所の固体廃棄物については、作業員の被ばく公衆被ばく低減および安全確保のため、より一層のリスク低減をめざし、可能な限り減容した上で固体廃棄物貯蔵庫などの屋内保管へ集約屋外一時保管エリアの解消目指しています
  • 廃棄物は今後も継続的に発生するため、廃炉作業の妨げにならないように引き続き計画的に廃棄物関連施設の整備を進め必要な保管容量を確保していきます。
進捗について(建築準備工事の着手)
  • 建築準備工事では、建物の基礎コンクリート工事に先立ち
    建物基礎下(深さ約10m)までの掘削工事を計画しています。

2025年10月初旬に準備が整ったことから、掘削作業時に周辺地盤が崩れないよう、支えとなる金属製壁を設置する山留工事に着手しました。2026年度上期に予定している建物本体工事に向けた建築準備工事を進めていきます。工事は安全最優先に実施していきます。

◇ 2号機 原子炉格納容器内部調査・試験的取り出し作業の状況

次回の内部調査・試験的取り出し作業で使用するロボットアームについて、テレスコ式装置のカメラ不具合を踏まえて、搭載しているカメラの放射線照射試験を実施しました。

テレスコ式装置の水平展開
  • 照射試験の結果、メーカー仕様通りの耐放射線性を確認できないことがわかりました。加えて当該カメラが入手不可となったことから現地作業にて高い累積放射線量必要となる部位のカメラについては、使用実績のあるカメラに変更することとしました。
  • 今後、アーム搭載カメラを変更し、視認性の確認や遠隔操作でのカメラ交換等の追加検証試験を実施していきます。また、変更したカメラの照射試験も並行して進めていきます。
  • ロボットアームによる内部調査・デブリ試験的取り出しの着手時期は、アーム搭載カメラの変更作業後となるため、2026年度となる見込みです。
  • ワンド:計測器などを取り付ける棒状の装置
  • テレスコ:機械などで重なり合った筒が伸び縮みする構造
  • AWJ(アブレシブウォータージェット):高圧水に研磨剤を混合し
    噴射することで干渉物を切断する機械
ロボットアームでの内部調査・試験的取り出し工程

ロボットアームの試験状況や搭載カメラの検証試験状況等を踏まえ、安全かつ慎重に内部調査と試験的取り出しを進めるために、今後の工程等の詳細を精査していきます。

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