2026年10月1日
福島第一原子力発電所の廃止措置等の進捗状況
◇ 原子炉建屋に溶け落ちた燃料デブリの本格的な取り出しにむけて、デジタル解析技術を活用し原子炉格納容器(PCV)の内部情報の3D(点群)データを生成しています。
3号機原子炉建屋
原子炉格納容器(PCV)内は、放射線量が高いため人が入ることができません。
マイクロドローンなどを原子炉建屋の外から操作しPCV内部の映像を取得しています。
得られた内部の映像をもとに、PCVの3Dデータを生成することで、パソコン上で内部の状況を観察することができます。
2026年3月のマイクロドローンを用いた内部調査で得た映像をもとに3号機PCV内部を3D化しました。
◇ 今回用いたStructure from Motion 技術のほか福島第一原子力発電所で活用している3D技術を紹介します。
福島第一原子力発電所で活用している3D技術
3Dデータとは、物体や構造物の高さ・幅・奥行きをデジタル空間で表現したデータです。パソコン上で拡大、回転、計測などの操作をすることで、望みの距離・角度で対象を確認できるため、平面化された図面や映像よりも直感的に状況を理解することができます。福島第一原子力発電所の廃炉作業においても、主に下記の種類の3Dデータを使用していますが、現場情報の把握という観点では、“点群データ”を活用しています。点群データは、CADやメッシュデータよりも現場状況が高解像度でデータ化されており、パソコン上で現場同等の極めて詳細な情報を得ることができます。このため、被ばくリスクのないオフィス等で、今後の調査の計画や取り出し工法などを、じっくり検討することが可能になります。
CADデータ
- 3DCADソフトで作図することで取得できる。
- 厳密な寸法を定義できるため設計図などに用いられることが多い。
- 反面、経年変化による凹凸や欠損などがある実在する物体の形状を表現することは難しい。
メッシュデータ
- 3Dモデリングソフトでの編集や点群データからの変換で取得できる。
- 細かい凹凸などを表現できるため、リアルな見た目を持つ反面、比較的データ容量が重くなりやすい。
- 3DプリントやCGによる映像表現に向いている。
点群データ
- レーザスキャナによる測定や映像からの推定技術により取得できる。
- 現場状況がそのまま表現されるため、手軽に現物に近いデータを取得できる。
- 反面、視認性が悪く、データ容量が重くなりやすい。
- 現場、現物の把握に向いている。
今回の点群化にはStructure from Motion(SfM)技術を用いています
- 複数の視点から撮影した画像を元に3D情報(位置や大きさ)を復元する技術です。
- SfM処理により、3Dデータの一種である点群データを得ることができます。
- 点群データとは、対象の物体や構造を無数の点の集合体として立体的に表現したデジタルデータであり、パソコン上で位置関係や大きさを計測することができます。