はいろみちTOPICS 廃炉の現場

2026年6月10日

Vol.8 モニタリングポストの点検業務の現場

福島第一原子力発電所では、一日に数千人の作業員による数百件におよぶ作業が日々行われています。廃炉作業の最前線をシリーズで紹介していきます。

廃炉の現場Vol.8 モニタリングポストの点検業務の現場

福島第一原子力発電所

防災・放射線センター

放射線・環境部保安総括グループ

西にし やすひと

仕事概要
私は現在、保安総括グループで、放射線管理に関わる業務を担当しています。
このグループでは、放射線管理区域に入るための従事者登録とそのための教育や放射線防護に必要な装備品の配備、そして放射線を測定する設備や機器の点検・校正を行っています。放射線を測定する設備の保守・管理の一つが、モニタリングポストの点検です。モニタリングポストは、発電所の敷地境界に設置している放射線測定設備で、空間の放射線量を測定しています。測定した値は当社のホームページでも公開しており、発電所の状態を地域の皆さまにお伝えするための重要な設備です。

敷地境界の8基を確実に保守し、地域へ正確な情報を届ける
放射線管理で廃炉を支える

モニタリングポストは、発電所周辺への放射線量の異常が無いかを示す、一番わかりやすい設備だと思っています。モニタリングポストは、発電所の敷地境界に8基設置しており、放射線量を24時間連続で測定しています。福島第一原子力発電所には、モニタリングポストのほかにも、構内や排水路、海水などの放射線量や放射性物質の濃度を監視するさまざまな設備があります。例えば構内には、それぞれの場所の線量を監視するモニターが設置されており、万が一異常があった場合でも、どこで何が起きているのかを速やかに把握できるようになっています。私たち保安総括グループでは、こうした設備の保守・管理を担当しています。廃炉作業の進捗に合わせて、適切な場所に設備を設置し、放射線の状況に異常がないことを確認し続けることが私たちの役割です。

モニタリングポストの点検はパートナー企業と行っており、実際に作業を担当頂いている方々は長年この設備を扱ってきた少人数のメンバーです。毎年同じ方々に作業していただいているので話もしやすく、過去のトラブル事例を共有しながら、安全に仕事を進めています。規模が小さい分、何かあればすぐに相談できるワンチームのような関係ができています。点検そのものはとても地道な仕事です。新しい設備をつくるような華やかさはありませんが、この設備が正常に動き続けることで、地域の皆さまの安心につながるとの想いで、取り組んでいます。

CHECK!

モニタリングポストは緊急時にも使用する設備です。そのため停電時の備えとして電源系統の多重化、無停電電源装置(UPS)、発電機を設置しています。また、通信設備についても遠隔で監視できるよう多様化を図っています。更にモニタリングポスト自体が故障した場合の代替設備として、モニタリングカー(右記写真)等を配備し、敷地境界での放射線量の測定が継続できるよう対策を講じています。

放射線監視設備の保守をより確実に

震災から15年が経ち、福島第一の状況は大きく変わりました。構内の放射線量は着実に低減し、廃炉作業の進捗に伴い新たな建物や設備が建設されています。モニタリングポストをはじめとする放射線監視設備についても、より信頼性が高く、保守しやすい設備への更新を進めていくことが今後の課題だと考えています。

モニタリングポストの点検は、一見すると地味な仕事かもしれません。しかし、発電所の状態を正しく把握し、その情報を社会にお伝えするためには欠かせない仕事です。これからも一つひとつの設備を確実に維持しながら、廃炉を支えていきたいと思います。

CHECK!

点検作業中も代替設備で放射線量の測定を行い、監視を継続しています。
福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の各モニタリング結果

敷地境界モニタリングポスト(MP-6)の点検の現場

福島第一原子力発電所

防災・放射線センター

放射線・環境部保安総括グループ

がさわら ゆう

この作業について

モニタリングポストは、福島第一原子力発電所の敷地境界付近に8箇所設置されています。モニタリングポストの測定結果については、ホームページ上でデータを公開しています。

モニタリングポストの定期点検は、1年に1回、行っています。

CHECK!

なぜモニタリングポストが重要なの?
モニタリングポストは、地震が発生した際に周辺地域のみなさまへ発電所の状況をお伝えするために重要な設備です。みなさまへは、当社HPやニュース速報などでも伝えられます。そのため、点検によるメンテナンスはもとより、停電対策や代替の設備の配備など重層的な設備構築をしています。

モニタリングポストの主な点検項目

線源照射試験

校正用線源(セシウム)を照射用治具の先端に取り付け、0.5m、1.0m、1.5mの距離に置き、放射線を一定時間照射します。モニタリングポストで正しく放射線量を測定できているか確認を行います。

外観点検・清掃・部品交換

ループ試験/警報動作試験

中央制御室でモニタリングポストの信号が正常に受信されていることを確認するため、モニタリングポストから模擬信号を入力し、中央制御室で精度確認を行います。

この作業の実施メンバー

  • この作業は、点検時間が長く、中央制御室側と現場側に分かれて作業を行うため、こまめに連絡を取り合い、お互いの体調確認をしています。
  • 点検に伴い設備を停止するにあたり、事前に自治体などへ対外調整を行いますが、屋外に設置された装置のため作業実施が天候に左右されて工程が組み直しになることがあります。
  • 福島第一原子力発電所という世界的にも注目を集める場所で、重要な測定装置点検に携わっているという認識を作業班で共有しています。

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