黒澤さん：

　富岡とみおか町に本社を置くトータルフードサービスという会社の社員として、震災しんさい前は1Fの食堂で調理などの仕事をしていました。震災しんさい後も、1F構内にある自動販売機はんばいきに飲み物を補充する仕事でときどき来ていました。このローソン東電福島大型休憩所店は、トータルフードサービスが経営するフランチャイズ店なのです。そして、ここを開店するにあたって私が店長を務めることになったというわけです。

畠山さん：

　私も震災しんさい前から、たばこ自動販売機はんばいきの補充ほじゅう、1F構内の食堂や喫茶きっさ店でお手伝いなどをしていました。ここで働く前はコンビニエンスストアの仕事をしたことがなかったので、郡山でみっちりと研修を受けてきました。

黒澤さん：

　毎日立ち寄ってくださる方も多く、「どうもね」「また来るよ」と声をかけていただくとうれしく、やりがいを感じます。こちらも「ありがとうございます」というあいさつの他に、手の空いたときや顔なじみの方には、「外の天気はどうです？」「きょうも暑いですか？」などと聞くことで会話がはずむこともよくあります。

畠山さん：

　「ハタやん、おはよう」と名前で呼よばれるのもうれしいですね。また、買い物をされないときでも、通りすがりにあいさつをしてくださるお客様もいて、マイコンビニと思っていただける温かみを感じます。ただ、忙いそがしいときは、どうしても行列ができて会計をお待たせしてしまうので、それは心苦しく思っています。

畠山さん：

　1F構内は、ほとんどが男性の職場で、私わたしのような女性はまだ少なく雰囲気ふんいきが明るくなるように笑顔での応対を心がけています。何も買われないときでも、お声掛がけいただければ、私わたしたちも元気にあいさつをお返します。

黒澤さん：

震災しんさい直後に懸命けんめいに仕事をされていた作業員の方の写真を見たのですが、ずいぶん疲つかれて元気のない表情に感じられました。ですが、今では大型休憩所きゅうけいじょができて食堂や自動販売機はんばいきがつくられ、今年になってコンビニエンスストアができたことで、1F構内にも普段ふだんの生活が戻もどってきたと感じていただければ幸いです。

廃炉はいろという大変な作業をしている方に、仕事の疲つかれをいやして元気が出るような場をご提供ていきょうすることで、復興に少しは貢献こうけんできているかなと感じています。