2017年1月17日
- 梅澤 重さん
- 株式会社スリーエス 東北東北事業部
福島第一原発事務所 東京電力HD福島第一原発派遣隊統括隊長
- 松田 博敏さん
- 株式会社スリーエス 東北東北事業部
福島第一原発事務所 東京電力HD福島第一原発派遣隊隊長
1Fでは、廃炉に向けて実に多くの作業員が日夜働いています。その1Fの安全・安心を守り、気持ちよく働ける環境をつくるために尽力しているのが警備会社スリーエスのスタッフです。スリーエスの派遣隊として1Fの警備を担っているお二人に、警備の仕事のやりがいや心がけ、工夫している点、そして1Fで働く思いなどについてお話を聞きました。穏やかに話す表情からは、社会のためになる仕事に携わっているという誇りが伝わってきました。
警備の仕事は長くやってらっしゃるのですか。
梅澤さん:
途中、一時他社で働いたこともありましたが、スリーエスに戻ってきて、合わせて20年以上になります。以前は仙台の事業部に勤務し、大型スーパーマーケットなどで警備していました。震災が起きたときは東京のホテルで現場責任者を担当していました。定年まで5年を切ったタイミングで当社派遣隊の1F総責任者という立場になったので、自分としてはこれが最後の仕事だというくらいの意識で取り組んでいます。
松田さん:
私はこの会社に入るまでずっと営業系の仕事をしていたので、実は警備のことは一切知りませんでした。接客は得意ですが、まったくの畑違いです。その意味で最初は戸惑いもありましたが、続けているうちに、警備の世界で働くことの楽しさを知りました。
定年ということでは、私も来年1月で定年を迎えます。その後も嘱託として、復興に向け自分にできることは積極的に手伝っていきたいという気持ちでやらせていただいています。
1Fにいらしてどのように感じていますか。
梅澤さん:
私は2015年11月に1Fへ来ました。ちょうど1年くらいですね。ここに来る前は、やはり安全なのだろうかという思いがあったことはあったのですが、実際に来てみると、いまでは線量も十分に下がっていますし、想像していた以上に安全な職場だなと日々感じています。働きやすい職場ですね。
松田さん:
出身が山形で、1Fに来る前は山形や仙台を中心に仕事をしていました。1Fに来たのは2013年10月です。来た頃と比べると、線量が下がっているのはもちろん、施設の整備が格段に進んで動きが取りやすくなっているので、仕事がしやすくなっています。
もともと私自身、線量が高くて心配ということはありませんでした。私が来る以前にも働いていた方がたくさんいらっしゃるので。ですからこちらで働くことになったときは、家族にもその点は心配するなと言っていました。むしろ1Fで仕事をすることで、お役に立ちたいという気持ちのほうが強かったですね。
挨拶の励行で作業員の信頼を獲得
どんな点に仕事のやりがいを感じていますか。
梅澤さん:
自分が1Fの安全を守っている、という意識はやはり強く持っていますね。仕事に誇りを感じながら、毎日の任務遂行を心がけています。また、警備のノウハウを学びながらステップアップしていけますし、仕事の中でいろいろな方と話すことができるところもよい点だと思います。
松田さん:
メンバーは全国各地から集まっていて、年齢も性格もさまざまです。その中で、私は年齢が上のほうですのでチームをまとめる立場なのですが、みなさん使命感や誇りを感じながら仕事をしていますね。1Fの安全のために力を合わせて取り組んでいる雰囲気です。
仕事で工夫していることはありますか。
梅澤さん:
毎朝、隊長のもと必ず朝礼やミーティングを行ってから1Fに来ます。私は総責任者として、朝礼の前に業務内容や注意事項などを確認し、各班隊長の説明のあとに補足として指示を出しています。やはり心がけているのは、作業員のみなさんに気持ちよく仕事をしていただくために、入構される際に挨拶を励行することですね。まず気持ちよく挨拶をして、手荷物検査への協力をお願いしています。
松田さん:
私も、チームのメンバーに挨拶を徹底させています。入構時はもちろん、帰りの際も「おつかれさまでした」と声をかけていますね。最近は逆に作業員の方から声をかけていただくこともあります。気持ちよく挨拶をするという私たちの姿勢が浸透してきたのだなと感じています。
梅澤さん:
警備として、安全に配慮することはいうまでもなく最優先ですが、それに加えて“魅せる警備”というものがあると思います。魅力のある警備、見せる警備ですね。挨拶をきちんとするということは、“魅せる警備”の表れです。その姿勢を徹底していることで作業員のみなさんに信頼していただき、おかげで所長表彰も受けましたし、1Fの安全に貢献できていると思います。私たちがいることで、作業しているみなさんに、安心・安全を感じてもらいたいですね。
健康と食べ物には常に気を遣う
休日はどのように過ごされていますか。
松田さん:
今は年も年なのでなかなか動けないのですが、若い頃からバスケット、野球、ソフトボールと、スポーツをずっとやってきました。いまはバスケットと野球のコーチをしたりしています。野球は公認審判の資格をとったので、審判を務めることもあります。それから、私は出身が山形で長男なものですから、平均すると月に1回は山形に帰っていますね。
梅澤さん:
松田さんが山形から戻ってくるときは、よく差し入れをくれます。つい先日も山形の芋煮を差し入れしてくれました。ありがたいですね。私自身は東京出身で、いま自宅は仙台です。車が好きなので、休日は車にコーティングをかけたりしています。朝の7時に始めて、お昼頃に終わると、ああ、やってよかったなといつも思います。
食べ物や健康にも気を遣っていると思います。
梅澤さん:
そうですね。年齢も55を越えていますので、食べ物はなるべく体にいいもの、肉中心ではなく魚中心に変えています。あと、最近若干太りましたので、仕事以外のときは、炭水化物は一切取っていません。
健康に関することは、適度に運動して、睡眠をしっかりと取るように心がけています。歩ける距離は歩くようにしていますし。もちろん暴飲暴食も避けています。うちのメンバーにも、健康には気をつけるようにとよく言っていますね。
松田さん:
私は自炊歴が長く、高校の頃から自炊しているので、いまでも食べ物はほとんど自分で作っています。仕事のときも、自分の体のことを考え、野菜中心の弁当を作ってきます。その点では、食べ物に困ることはないですね。休日もよく煮物などを作っています。
健康については、若い頃からスポーツをやっていたおかげでいまの体があると思います。1F自体、健康面でも安心して仕事をできる場になっています。そのことを、ここで働く作業員や同僚の家族の方にもぜひ伝えたいですね。
梅澤 重さん
東京都江東区出身で、現在住んでいるのは仙台市。好きな食べ物は魚。趣味は車で、休みの日は車をいじるのが楽しいという
松田 博敏さん
山形県出身。好きな食べ物はそばで、自炊も大好き。趣味はスポーツで体を動かすこと。現在は休日にコーチや審判として活躍する
復興に携わる作業員のみなさんが気持ちよく働ける環境をつくるため、みなさんの入構・退勤時などに快活な挨拶を励行しています。
- プロフィール
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梅澤 重さん
東京都江東区出身で、現在住んでいるのは仙台市。好きな食べ物は魚。趣味は車で、休みの日は車をいじるのが楽しいという
松田 博敏さん山形県出身。好きな食べ物はそばで、自炊も大好き。趣味はスポーツで体を動かすこと。現在は休日にコーチや審判として活躍する
- お勤め先
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株式会社スリーエス
常駐警備の専業会社として1978年に設立。社会の「安全と安心」を支えるため、さまざまな施設に警備スタッフが常駐して、出入管理や巡回点検、保安といった警備業務を担う。