1 FOR ALL JAPAN 廃炉のいま、あした

1Fを守る仲間たち

2017年9月13日

INTERVIEW 36 多くの人に1F(いちえふ)に関心を
持ってもらい復興に貢献(こうけん)したい

長谷川 渉さん 長谷川はせがわ わたるさん
日本原子力発電株式会社
大関 宗則さん 大関おおぜき 宗則むねのりさん
日本原子力発電株式会社
川端 敏行さん 川端かわばた 敏行としゆきさん
日本原子力発電株式会社
小林 隆さん 小林こばやし たかしさん
原電エンジニアリング株式会社
大内 孝敬さん 大内おおうち 孝敬たかゆきさん
原電エンジニアリング株式会社
加井 浩之さん 加井かい 浩之ひろゆきさん
東京パワーテクノロジー株式会社

 現在、1Fいちえふ構内の作業で使われた防護服(カバーオール)、靴、ヘルメットなどの廃棄物はいきぶつは、構内にある雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備で安全に燃やして小さくして保管しています。今回は、その設備の運転や管理の業務、また1Fいちえふ構内の放射線ほうしゃせん量のデータを公開する業務をしている日本原子力発電とその協力会社の方々にお話をうかがいました。

これまで働いていた発電所とは
ちがう点が多いので最初はとまどった

どのようなお仕事をなさっているのですか。
長谷川 渉さん

長谷川さん:

 雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備の運転・保全チームで、放射線ほうしゃせん管理をしています。主に個人のばく線量の管理が担当たんとうです。2016年3月に福井県の敦賀つるが発電所から1Fいちえふに来ました。

大関さん:

 私は雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備で電気・計装設備の保全作業に従事じゅうじしています。2017年6月から今の仕事を担当たんとうしています。

加井さん:

 私は、雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備の運転操作そうさをしたり、前処理しょり業務といって焼却しょうきゃく前に廃棄物はいきぶつを分別する業務などを担当たんとうしています。

大内さん:

 私はデータ公表チームのメンバーとして、地下水や海水に含まれている放射能ほうしゃのう濃度のうどの観測データを作成しています。作成したデータはホームページで公開されて、だれでも見ることができます。

敦賀つるがの原子力発電所から1Fいちえふに来た方が多いようですね。
川端 敏行さん

小林さん:

 私は、敦賀つるがにある原子力発電所から2015年11月に1Fいちえふに来ました。私の仕事は日勤にっきん業務です。また直員が業務に集中できるようサポート的な役割やくわりも行っています。1Fいちえふの感想は管理方法のさまざまな点が、敦賀つるがちがっていたので最初はとまどいました。

川端さん:

 私は2017年7月に1Fいちえふに来て1カ月足らずですから、まだまだ手さぐりの状態です。しかも、6月までは敦賀市内にある事務所で広報の仕事をしていました。今は雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備の管理です。防護服を着て作業をするのはあまり慣れていないので、早く慣れなくてはいけないと思っています。

正確なデータを公開するために
緊張きんちょう感を持って作業

仕事をやるうえで大変なことはありますか。
大関 宗則さん

長谷川さん:

 前の職場でも放射線ほうしゃせん管理に関係した仕事はしていましたが、1Fいちえふはよその発電所とはちがって独自の法令や手順があります。ですから、間違まちがいのないよう関係部署ぶしょ確認かくにんするようにしています。

大内さん:

 放射能ほうしゃのう濃度のうど分析ぶんせき装置による分析ぶんせきが終わると、その結果が印刷されてきます。私は、その数字をパソコンに入力するのですが、印刷された文字がとても細かいのです。しかも、印刷された数字は有効数字4桁なのですが、パソコンに入力するときは四捨五入ししゃごにゅうして有効数字2桁にする必要があります。正確なデータを公開しなくてはと思うと緊張きんちょうしますね。目と神経がつかれます。

大関さん:

 保全業務において同じ人が電気・計装けいそう担当たんとうをすることはありませんが、それを私一人でやらなくてはならないのは、少し大変ですね。

以前の1Fいちえふを知っている方にとってどのように変わりましたか。
小林 隆さん

加井さん:

 震災しんさい以前は、放射性廃棄物処理ほうしゃせいはいきぶつしょり設備の運転業務・燃料交換こうかん機の運転業務・産廃処分さんぱいしょぶん関係等の仕事をしていました。地震じしんが起きたときも1Fいちえふ構内にいて、かなりのれを感じましたね。そのばんは構内に泊まりました。ですから、事故直後の様子も知っていますが、当時とくらべたら労働環境かんきょうはまるで変わり、仕事がずいぶんやりやすくなりました。

小林さん:

 私は、震災しんさいの年に支援しえん事業の一環で福島に来て、楢葉ならはにある道の駅でスクリーニング(放射線ほうしゃせん量検査)をしたことがあります。まさか、その5年後に1Fいちえふの構内で仕事をするとは思いませんでしたが、でも来たからにはやるしかありません。そんな気持ちで毎日がんばっています。

廃棄物はいきぶつの量を示す折れ線グラフが
右下がりになっていくのが楽しみ

この仕事をやってよかったと思えるのはどういうときですか。
加井 浩之さん

加井さん:

 1Fいちえふ構内にある「使用済保護衣等保管量の推移すいい」のグラフが公表されていますが、雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備が順調に運転されていくと、その折れ線が右下がりになっていきます。その様子を見て、われわれの仕事が役に立っているんだなあと感じます。

長谷川さん:

 私は、1Fいちえふには震災しんさい以降いこう初めて来ました。東京電力さんが運行している通勤つうきんバスに乗って1Fいちえふに向かう最中、車窓しゃそうから被災ひさいした街並まちなみを見て、改めて他人ごとではないと思い、現在はその復興の一助となるような業務にたずさえていることがうれしいです。

1Fいちえふではどのようなことを考えて仕事をしていますか。
大内 孝敬さん

川端さん:

 まだ1Fいちえふに来たばかりではありますが、焼却炉しょうきゃくろの運転を進めることで廃棄物はいきぶつが減れば、少しでも復興に貢献こうけんできるのではないかと思いながら仕事をしています。

大内さん:

 1Fいちえふ放射線ほうしゃせんデータはホームページで公表されます。福島では放射線ほうしゃせんに関心が高く、身近に感じて見ている人が多いとのことで、自分の仕事に使命感を覚えますね。

小林さん:

 正直なところ、敦賀つるが1Fいちえふから700kmキロメートルはなれているので、なかなか正確な情報が入らず、関心も高いとはいえません。そこで、私たちが先頭となって福島のよさを伝えていきたいと思っています。わかい人もぜひここに来て頑張がんばってほしいですね。

仕事のあとや休日はどんなことをしていますか。
日本原電福島事業所集合写真

川端さん:

 ドライブが趣味しゅみなので、敦賀つるがに帰ったら京都や大阪に行ってこようと思っています。こちらではあまり外出をしないので、こちらでの趣味しゅみを何か持ちたいですね。まだ慣れていないので、食事はもっぱらコンビニで買うことが多いのですが、有名な福島の名物を食べてみたいと思っています。とくにももなどは有名ですよね。

小林さん:

 福島のまわりにはいい温泉おんせんがあるので、時間があるときにはあちこちめぐっています。湯本に日帰り入浴ができる宿があって、そこの湯はいいですね。

加井さん:

 体を動かすのが好きなので、休みの日にはよくウォーキングをしています。自宅じたくのあるいわき市のいずみから、自分でウォーキングのコースをいくつかつくり、10kmキロメートルほど歩いています。仕事が終わったあとも、元気で時間があるときには歩いています。

長谷川 渉さん

長谷川はせがわ わたるさん

福井県敦賀つるが市出身。趣味しゅみは読書、インターネット、ゲームなど。休日は都市部に出て、買い物や食事をしたり、バッティングセンターに行ったりしている。

大関 宗則さん

大関おおぜき 宗則むねのりさん

福島県出身。冬には毎週スノーボードを楽しんでいる。体を動かすのは好きなので、時間を見つけてランニングをしている。

川端 敏行さん

川端かわばた 敏行としゆきさん

福井県敦賀つるが市出身。学生時代から野球を始めて、以前は会社や町内の野球チームにも参加していた。ゴルフもやっていたが、今はドライブを楽しんでいる。

小林 隆さん

小林こばやし たかしさん

福井県敦賀つるが市出身。最近になって設備が整った宿に引っしてからは、生まれて初めての自炊じすいを楽しむようになり、料理の楽しさに目覚めた。

大内 孝敬さん

大内おおうち 孝敬たかゆきさん

茨城県ひたちなか市出身。休みは自宅じたくに帰ることがほとんどで、農家をしている実家の畑に出て野菜やサツマイモを育てている。趣味しゅみはゴルフ。

加井 浩之さん

加井かい 浩之ひろゆきさん

福島県大熊町おおくままち出身。震災しんさい前から1Fいちえふで仕事をしており、雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備運転については試運転のときから関わってきた。

私たちの作業は廃炉はいろに直接つながる仕事ではありませんが、地元の復興と1Fいちえふ廃炉はいろに少しでも役立ちたいという思いは同じです。チームワークよく力を合わせてがんばっています。

プロフィール
長谷川はせがわ わたるさん

福井県敦賀つるが市出身。趣味しゅみは読書、インターネット、ゲームなど。休日は都市部に出て、買い物や食事をしたり、バッティングセンターに行ったりしている。

大関おおぜき 宗則むねのりさん

福島県出身。冬には毎週スノーボードを楽しんでいる。体を動かすのは好きなので、時間を見つけてランニングをしている。

川端かわばた 敏行としゆきさん

福井県敦賀つるが市出身。学生時代から野球を始めて、以前は会社や町内の野球チームにも参加していた。ゴルフもやっていたが、今はドライブを楽しんでいる。

小林こばやし たかしさん

福井県敦賀つるが市出身。最近になって設備が整った宿に引っしてからは、生まれて初めての自炊じすいを楽しむようになり、料理の楽しさに目覚めた。

大内おおうち 孝敬たかゆきさん

茨城県ひたちなか市出身。休みは自宅じたくに帰ることがほとんどで、農家をしている実家の畑に出て野菜やサツマイモを育てている。趣味しゅみはゴルフ。

加井かい 浩之ひろゆきさん

福島県大熊町おおくままち出身。震災しんさい前から1Fいちえふで仕事をしており、雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備運転については試運転のときから関わってきた。

お仕事内容

雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備運転・保全業務、データ公表業務

雑固体廃棄物焼却ざつこたいはいきぶつしょうきゃく設備運転・保全業務チームは約20人、データ公表業務チームは7人からなっている。中心となっている日本原子力発電は1957年に設立された会社で、茨城県東海村と福井県敦賀つるが市に原子力発電所を持っている。

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