2017年10月16日
- 乙部 秀昭さん
- 東双不動産管理
視察運営グループ
- 松田 貢紀さん
- 東双不動産管理
視察運営グループ
- 武内 直樹さん
- 東双不動産管理
視察運営グループ
- 岡田 唯さん
- 東双不動産管理
視察運営グループ
- 根本 美奈さん
- 東双不動産管理
視察運営グループ
1Fの廃炉作業が進むにつれて、その様子を視察したいという一般の方が増えてきました。現在の1Fの姿を正しく伝えていくためには、なるべく多くの方々に見ていただくことが大切です。今回は、そうした視察者をご案内している東双不動産管理㈱の視察運営グループのみなさんにお話をうかがいました。
1年間に1万人にものぼる視察者が
安全に視察できるように対応
お仕事の内容を教えてください。
乙部さん:
1Fを視察したいという方のために、富岡町の国道6号沿いにある旧エネルギー館に集合していただき、そこからバスに乗って1F構内を案内するのが主な仕事です。当社では、2014年4月から、この視察案内業務を行っています。
武内さん:
受付、バス乗降のご案内、添乗、お客様の安全確認、現地をご案内する際に必要な装備類の準備、お食事をされるときはその手配をするというのが私たちの仕事です。
どのくらいの人数で、どのような方がいらっしゃるのですか。
乙部さん:
2015年度は約8000人、約2016年度は約1万人の方が来訪されました。年々増えており、多いときは1日に3~4団体がいらっしゃって、1団体あたりだいたい10人から20人ですから、1日で70人以上をご案内することもあります。休日に視察したいという団体もいらっしゃいますので、休日に対応することもあります。
松田さん:
視察者には、地元自治体、原子力関連の企業、国会議員、地方議会議員、海外の原子力関係者など、さまざま方がいらっしゃいます。最近では地元住民のみなさまや学校関係者の方々にも視察いただいています。視察者5~10人あたり、私たちが1人同行しています。当社でこの仕事を担当しているのは、全部で16人ですから、忙しいときには全員で対応することもあります。
「子どもたちに伝えていきたい」という
校長先生の言葉が印象に残っている
この仕事をやっていて印象に残ったことはありますか。
岡田さん:
視察が終わったあとで、「報道されている1Fとは、ずいぶん様子が違う」とよく言われるのが印象的です。とくに、初めて来られた方は、「来てよかった」「大変な作業だけどがんばってほしい」とおっしゃいます。
松田さん:
印象に残ったのは、地元の双葉町にある小学校の校長先生から、「今回は2度目の視察だが、作業が進んでいるのが自分の目で見てよくわかった。子どもたちや周りの人たちに伝えていきたい」とおっしゃっていたことです。こういう話をうかがうと、この仕事をやっていてよかったなと感じます。
どんなことに仕事のやりがいを感じますか。
武内さん:
実際に見て、廃炉工事が進んでいることを実感していただけるのが、私たちの仕事のやりがいです。また、仕事が無事に終わって、お客様から「ありがとう」「お世話になりました」というお礼の言葉をいただいたときには、この仕事をやっていてよかったなと思います。
根本さん:
毎回、視察者にアンケートを記入していただき、その結果を入力するのも私たちの仕事です。「1Fは危険なところだと思ったけど、実際に見てイメージが変わった」と答える方が多くいらっしゃるのを見て、私たちの仕事が少しでも役立っているのかなと思います。
お客様を相手にする仕事ですから、思ったように進まないときはありませんか。
乙部さん:
構内に入るための証明書を忘れてしまって、せっかく遠くから来られたのに構内の視察ができない方が、たまにいらっしゃいます。そんなとき、その方だけを別行動にして、1Fの構外からご覧いただいたり、周辺の復興状況をご案内するということもありました。
武内さん:
いただいた名簿で入構手続きを行うのですが、絶対に間違いや記入漏れを起こさないよう神経を使います。稀に当日になって名簿にない人がお見えになることがあります。やはり、この場合も構内には入れませんので、旧エネルギー館で待っていただくか、余裕があるときは構外からご案内をすることがあります。
岡田さん:
仕事自体はそれ程難しいとは感じませんが、準備段階では視察者の窓口の方とのメールや電話でのやりとりが多く、最初のうちは慣れませんでした。今はだいぶ慣れて、お客様をスムーズご案内できるようになりました。
昔働いたことのある1Fために
少しでも力になろうと思って戻ってきた
家族や友人は心配しませんでしたか。
武内さん:
正直なところ、家族が放射線のことを心配しています。作業をしているみなさんのおかげで1F構内の放射線量が下がったことが、まだまだ一般の人には広がっていないようです。いろいろと説明をしても、どうしても専門的な話になってしまって、なかなか納得してもらうのは難しいですね。
根本さん:
私の家では家族が2Fで働いているので、私がこの仕事をはじめるといっても、とくに心配はしていませんでした。
乙部さんは以前にも1Fにいらっしゃったそうですね。
乙部さん:
震災前に定期点検の仕事で来たことがありました。震災の前後は、青森県の再処理工場や研究所で仕事をしていましたが、よく知っていた1Fが事故であんなことになってびっくりしました。現在の仕事に応募したのは、少しでも力になれればという気持ちもあったからです。廃炉まで30年から40年かかるといわれていますが、工事が順調に進んで、1Fが廃炉技術や安全のシンボルとなってほしいという気持ちがありますね。
ところで、休日はどのようなことをして過ごしていますか。
松田さん:
私はスポーツが趣味で、定期的にスポーツジムに通っています。中学時代からバスケットボールをしていたのですが、最近になって双葉町出身者が集まって社会人チームをつくろうということになって、また練習を再開しました。チームはできたばかりですが、いずれは社会人のアマチュア大会に参加したいと思っています。
根本さん:
時間があるときは、よくインターネットでユーチューブの動画を見て楽しんでいます。世界中で話題になっている動画は欠かさず見るようにしていますが、なかでも猫や犬をはじめとする動物の動画が大好きです。実は、自宅でも飼いたいのですが、家族に許してもらえないので動画を見て我慢しています。
乙部 秀昭さん
青森県七戸町出身。現在はいわき市内に住んでおり、週末は青森に帰り、家族と食事や買い物に出かけるのが楽しみ。辛口のカレーライスが好き。
松田 貢紀さん
双葉町出身。自宅はいわき市内。バスケットボール部の仲間だった武内さんに誘われて入社。休日は買い物や映画など家族サービスが中心。食べ物は、ステーキのような肉料理が好き。
武内 直樹さん
双葉町出身。自宅はいわき市内。中学時代からバスケットボール部に所属。今でも週に2、3回は5kmから10kmのランニングをしている。肉ならステーキも焼き肉も好き。
岡田 唯さん
いわき市出身。休日は、学生時代の友だちとテニスを楽しんだり、いわき市内で買い物をしている。ラーメンが好きで、とくに味噌味が好み。
根本 美奈さん
広野町出身。動物の動画が好きで、いつかは猫か犬を飼いたいと思っている。好きな食べ物はスイカ。
私たちの仕事は1F構内にお客様を案内する仕事なので、ぜひ一人でも多くの方に現在の1Fの姿を見ていただきたいと思います。
- プロフィール
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乙部 秀昭さん
青森県七戸町出身。現在はいわき市内に住んでおり、週末は青森に帰り、家族と食事や買い物に出かけるのが楽しみ。辛口のカレーライスが好き。
松田 貢紀さん双葉町出身。自宅はいわき市内。バスケットボール部の仲間だった武内さんに誘われて入社。休日は買い物や映画など家族サービスが中心。食べ物は、ステーキのような肉料理が好き。
武内 直樹さん双葉町出身。自宅はいわき市内。中学時代からバスケットボール部に所属。今でも週に2、3回は5kmから10kmのランニングをしている。肉ならステーキも焼き肉も好き。
岡田 唯さんいわき市出身。休日は、学生時代の友だちとテニスを楽しんだり、いわき市内で買い物をしている。ラーメンが好きで、とくに味噌味が好み。
根本 美奈さん広野町出身。動物の動画が好きで、いつかは猫か犬を飼いたいと思っている。好きな食べ物はスイカ。
- お勤め先
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東双不動産管理株式会社
1982年設立。福島県浜通りの地元に密着した企業として、生活に関連したサービスや1Fの視察案内業務などを中心にして、新しい町づくりと地元の雇用確保を目指している。