2018年2月14日
- 比嘉 純一郎さん
- 東電設計株式会社
原子力本部 原子力システム技術部
システムエンジニアリング第二グループ
- 渡邊 賢一朗さん
- 東電設計株式会社
原子力本部 福島原子力事務所 兼 原子力システム技術部
福島フィールドエンジニアリンググループ
今回は、6号機のプロセス計算機の取り換え工事を進めている東電設計のみなさんにお話をうかがいました。プロセス計算機とは、原子力発電所内の各現場に備えつけられた計器から、さまざまな情報を集め、中央制御室にある監視画面に表示させるための集中監視システムのことです。
温度管理に注意して
6号機の冷温停止状態を守る
お二人はどのようなお仕事をしているのですか。
渡邊さん:
今回の工事では、プロセス計算機の取り換えのため、現地調査から、設計・製作、設置までを行っています。2016年11月に始まり、2018年3月末に完了する予定です。私は福島事務所に在籍しており、とくにハードウェア関係と現場の担当を行っています。
比嘉さん:
私はソフトウェアの設計が担当です。普段は東京・豊洲にある本社に勤めていますが、今回のようにプロセス計算機の点検、改造、取り換えをするときには、現地に入って仕事をします。今回の業務ではプロジェクトマネージャーという立場で、関係部署との打ち合わせや業務全体の管理を行っています。
新しいプロセス計算機にはどういう特徴がありますか。
渡邊さん:
プロセス計算機は圧力、流量、温度、水位などプラントの情報を監視するのが主な役割です。ほかの原子力発電所と違い1Fでは発電をしていませんので、ほかの発電所のプロセス計算機よりも集める情報が少なくなっています。ただし、6号機は燃料が使用済燃料プールの中に入っていますから、その温度の監視はとても重要です。
比嘉さん:
作業が始まってから1年以上がたちました。2018年1月に、すでにプロセス計算機の設置は終わっており、試験を始めている段階です。
夜遅くまでの作業が
2カ月近く続いた
ところで、お二人とも転職組だとうかがいましたが。
比嘉さん:
当社には2015年4月に入社しました。以前は、医療系や発電所制御関係のソフトウェア開発の仕事をしていましたので、転職した当初は原子力発電所の知識はほとんどありませんでした。現在も、周囲の方々に教えてもらいながら日々勉強の毎日です。
渡邊さん:
私は、原子力発電所の制御装置のハードとソフトの点検・改造の仕事をしていました。当社には2015年10月の入社です。設計段階から携わり、やりがいがありますが、以前とは仕事の内容が違っていますので、やはり私も勉強の日々です。
仕事を進めていく上で、どのようなことが大変でしたか。
比嘉さん:
プロセス計算機を現地に据え付ける前に、工場で試験をするのですが、その間の2カ月近くは夜遅くまでの作業が大変でした。
渡邊さん:
今回のようなプロジェクトでは、途中で仕様や工程変更がよくあるものです。実際に試験をすることで気づいていくことがあり、関係部署の方々と相談しながら、使いやすく、よい方向に仕様を変えていくわけです。大変ですが、やりがいにつながっています。
また、私も工場試験のときは東京に出張してホテル住まいをしながら、週末に自宅があるいわきに帰ってくるという生活を繰り返していました。平日は家族と一緒にいる時間がとれなかったので、申し訳ないという気持ちでしたね。
ユーモアたっぷりの声かけが
ピリピリした雰囲気を和ませた
仕事をスムーズに進めるための工夫は何かありますか。
渡邊さん:
プロジェクトマネージャーの比嘉から、いろいろと強い要求が出てくるので、そこでうまくコミュニケーションをとるように心がけました。最善を尽くして関係者の方々に喜んでもらえるのが一番うれしく感じられる瞬間です。
比嘉さん:
工場試験で忙しくて、試験中ピリピリしているときに、渡邊が場を和ませてくれたのがありがたかったですね。社員と協力企業の方がいますが、そのみんなにユーモアたっぷりの声かけをしてくれるんです。おかげで、みんなの肩の力が抜け、雰囲気がよくなりました。
休日はどのようなことをされていますか。
渡邊さん:
小学校4年生になった娘が、今シーズンからスキーを始めたので、週末は家族で裏磐梯や猪苗代などのスキー場に行くことがなによりの楽しみです。もっとも、私と妻はスノーボードなので、娘にスキーを教えることができません。スキースクールに入れて、その様子を見ているのも楽しいですね。
比嘉さん:
以前はフットサルを月に1回やっていましたが、子どもが生まれてからはなかなか時間がとれません。現在、子どもは2歳と0歳の二人で、週末は子どもたちと遊ぶのが楽しみです。
比嘉 純一郎さん
沖縄県出身。現在は東京都に住んでいる。肉が大好き。今回の業務のためにアメリカに2週間の研修に行ったところ、毎日肉が食べられたので大満足だった。
渡邊 賢一朗さん
いわき市出身、在住。サッカーをしていたこともあり、スペインリーグのサッカーを見るのが楽しみ。以前、現地でメッシやロナウジーニョが所属するFCバルセロナの試合を見たのがいい思い出。
6号機は事故が起きなかったために、1~4号機の廃炉作業の参考になることが数多くあります。目立たない仕事ですが、少しでも廃炉に役立てればと思っています。
- プロフィール
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比嘉 純一郎さん
沖縄県出身。現在は東京都に住んでいる。肉が大好き。今回の業務のためにアメリカに2週間の研修に行ったところ、毎日肉が食べられたので大満足だった。
渡邊 賢一朗さんいわき市出身、在住。サッカーをしていたこともあり、スペインリーグのサッカーを見るのが楽しみ。以前、現地でメッシやロナウジーニョが所属するFCバルセロナの試合を見たのがいい思い出。
- お勤め先
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東電設計
1960年創立。国内外で土木、建築 、電気、機械設備の設計、監理を中心に、コンサルタント事業を中心に行っている。震災以前は1F構内の合同棟に事務所があり、2、4、5号機の取り換え工事をしてきた。