2018年4月12日
- 小川 順子さん
- ネクスト情報はましん
営業企画開発本部
- 鈴木 唯さん
- ネクスト情報はましん
営業企画開発本部
- 平子 武司さん
- ネクスト情報はましん
制作部 部長 兼 情報システム グループリーダー
- 江尻 高明さん
- ネクスト情報はましん
制作部 制作グループ 課長補佐
- 青木 香織さん
- ネクスト情報はましん
制作部 制作グループ
東京電力の社員が企画・編集している廃炉情報誌「はいろみち」。廃炉事業の進捗状況だけでなく、廃炉事業に関わる人が、どのような思いで廃炉事業に向き合っているかを伝えています。「はいろみち」の名前には、“はいろ”(廃炉)への“みち”のりにあたり、「“はいろ”(廃炉)という“みち”(未知)なるものへの挑戦」を「“み”なさまの“ち”からをいただきながら」成し遂げていく、といった意味を込めて名づけられています。この「はいろみち」の編集・制作をサポートしているネクスト情報はましんのみなさんにお話をうかがいました。
現場の作業員の思いに寄り添い
人と人とが協力するイメージを前面に
制作作業はどのように進めているのですか。
平子さん:
毎月1回東京電力と編集会議を実施し、次号以降の企画内容や編集スケジュール、仕上がりのデザインなどの確認をしています。また、東京電力と一緒に取材対応にあたることもあり、ライティングや写真撮影などのサポートもしています。サポートにあたるはましんの制作チームは、ライターと専属カメラマン、デザイナーを合わせて8人で、制作チームは私がリーダーの立場で取り仕切っています。
小川さん:
私と鈴木は営業の仕事に携わっていまして、毎月1回の会議はもちろん、ライター、カメラマン、制作担当と共に取材現場にも赴いています。取材は県外まで足を運ぶことも多いですね。
「はいろみち」の誌面をデザインする上でどのようなことを心がけていますか。
青木さん:
私がデザインをするときにいつも気をつけているのは、デザインのイメージで内容が勘違いされないようにすることです。デザイン要素を加えすぎることで廃炉というテーマがかすんではいけません。記事の内容が読み手に的確に伝わるように、デザイン面では余分なものをなるべく排除した形で、読みやすさも意識して作っています。
創刊時に一番こだわったのは「Hairo Michi」という題字です。フォントを使ってデザインするとどうしても堅さが出てしまうので、手書きで優しく、それでいてしなやかに感じられるように、オンリーワンのものを目指してデザインしました。人と人が手を取り合って協力しているイメージを表現しています。
江尻さん:
私は「はいろみち」に加えて、東京電力が毎月発行する中長期ロードマップの進捗状況をお伝えするパンフレットのデザインも担当しているのですが、作業をされている方たちに寄り添ってデザインすることを常に意識しています。パンフレットの制作に携わることで、廃炉作業がロードマップに則って着実に進行していることも実感しています。
この仕事に携わってよかったと思うことは何ですか。
小川さん:
震災当時に1Fで復旧作業にあたった東京電力の方にお話をうかがう「あの日から」というページがあるのですが、震災当時の吉田昌郎所長と行動を共にされていた石川真澄さんのお話が強く印象に残っています。関係者の方々にあの日とあの日以降の状況をうかがうと、みなさん表情が明るく、未来に向けた思いが胸に響いてきます。その思いをこうしてお伝えできることがうれしいですね。
鈴木さん:
福島に住み、震災を経験しながら、これまでは原発のこともそれほど詳しくは知りませんでした。ところが実際にみなさんから作業のお話を聞き、改めていろいろと考えさせられます。現場で作業に従事されるたくさんの方々がいなければ廃炉作業は進みません。先に進めるためにも、みなさんが健康で仕事を続けてくださることが大切だと感じ、地元の人間として、作業員のみなさんのこと、そしてこれから福島が進んでいく道を少しでも多くの人にお伝えしたいという思いがどんどんと強くなっています。
江尻さん:
地元に住む人でも、現場でどういう方がどのような仕事をしているかは知らない人が多いと思います。私もこの仕事を始めるまで、それほど深くは知りませんでした。しかし現場でテレビや新聞からは伝わってこないリアルな状況を知り、働いている方たちの真剣な取り組みを目の当たりにすることで、私も自分にできることで協力していきたいという思いが生まれました。
大人にも子どもにも読んでもらい
未来の希望につなげていきたい
今後、「はいろみち」をどのようにしていきたいと考えていますか。
青木さん:
いまどのようなことが行われているのか、作業員の方たちがどのような思いを持って廃炉作業に取り組んでいるのか。その姿や思いを詰め込んで、読者のみなさんにお伝えするお手伝いができたらいいですね。ぜひ子どもたちにも読んでいただけたらと思います。福島のことだから福島の人間が伝えていく……そういう思いはやはりあります。
平子さん:
第6号では、全国の国公立高専の学生さんたちが製作したロボットで放射線量の高い原子炉建屋内の調査を想定した第2回廃炉創造ロボコンの記事が載っています。ここにはやはり、廃炉のみちのりに若い方が関わり、未来の技術者が生まれていくことへの希望が込められていると思います。家庭でこうした記事を親子一緒になって読み、家族の話題に上ることがあればうれしいですね。大人だけでなく子どもにも読んでいただけるような読みやすい誌面づくりに貢献していきたいと思います。
小川 順子さん
ネクスト情報はましん
鈴木 唯さん
ネクスト情報はましん
青木 香織さん
ネクスト情報はましん
平子 武司さん
ネクスト情報はましん
江尻 高明さん
ネクスト情報はましん
地元の人間として、廃炉のこと、作業員のみなさんのこと、そしてこれからの福島のことを「はいろみち」で発信するお手伝いをしていきたいと思います。
- プロフィール
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小川 順子さん
いわき市出身。営業を担当し、東京電力との打ち合わせや取材現場に積極的に赴いている。
鈴木 唯さんいわき市出身。創刊の半年後からメンバーに加わり、小川さんと同じく営業を担当している。
青木 香織さんいわき市出身。デザインを担当。廃炉というテーマをデザインで的確に伝えることを心がける。
平子 武司さんいわき市出身。制作部の部長として「はいろみち」の制作全体を統括しリードする立場。
江尻 高明さんいわき市出身。「はいろみち」および毎月発行の廃炉情報に関するパンフレット制作を担当する。
- お勤め先
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株式会社ネクスト情報はましん
1957年、浜通 新聞印刷所として創設。もともと地域新聞を主に制作していたが、のちに冊子、チラシ、ポスターといった一般商業印刷を手がけるように。近年は放射線データ測定やAR(拡張現実)サービス、3Dプリンターの活用にも取り組んでいる。