2018年12月17日
- 塩澤 文夫さん
- 東双不動産管理株式会社
東京電力廃炉資料館 運営副責任者
- 遠藤 紘史さん
- 東双不動産管理株式会社
東京電力廃炉資料館 案内スタッフ
- 小松 真帆さん
- 東双不動産管理株式会社
東京電力廃炉資料館 案内スタッフ
- 髙橋 彩花さん
- 東双不動産管理株式会社
東京電力廃炉資料館 案内スタッフ
2011年3月に1Fで起きた事故についての詳しい情報と、廃炉事業の現状を知ることができる場として、2018年11月30日、富岡町に「東京電力廃炉資料館」が開館しました。これまであった「旧エネルギー館」を改修した施設です。今回は、資料館の運営やご来館者さまの案内を担当する東双不動産管理のみなさんに、開館直前にお話をうかがいました。
誰でも訪れることができる資料館で
1Fの正確な情報を伝えたい
この資料館がつくられた目的と、みなさんのお仕事を教えてください。
塩澤さん:
私は、廃炉資料館の運営副責任者という立場で、今年の4月に着任しました。視察や運営の全般を担当しています。この資料館は、事故当時の様子をみなさまにお伝えして、二度と事故を起こさないための反省と教訓を示すとともに、現在進んでいる廃炉作業の取り組みについてわかりやすくお知らせすることを目的としています。
遠藤さん:
私と小松、髙橋は、廃炉資料館の案内スタッフとして、開館に向けて研修を重ねているところです。ここを訪れた方々に展示内容のご説明をしたり、ご質問に答えたりするのが主な仕事です。資料館はじっくり見学すると2時間くらいかかります。
もうすぐ廃炉資料館が開館しますが、どのようなことを期待していますか。
小松さん:
私は地元の出身ですが、この仕事に就くまで1Fのことをよく知りませんでした。ましてや、県外では正確な情報を知らない方が多いでしょうから、そういう方々に現在の1Fの様子を伝えていきたいと思っています。
髙橋さん:
私も同じです。ご来館される人にわかりやすく正確な情報を伝えると同時に、浜通り地域の復興にも役立つことができたらと期待しています。
遠藤さん:
作業員の方々で、ご家族に自分がどういう場所で仕事をしているのか、見せたい方もいらっしゃると思います。作業員の方でないと1F構内に入るのは難しいですが、廃炉資料館ならば誰でも来られますし、現在の1Fのこともよくわかります。ぜひ、みなさまのご家族やご友人と一緒にお越しください。
地元の復興に貢献できると考えて
この仕事を選んだ
研修を受けてみて、大変だったと感じたことはありますか。
塩澤さん:
原子力発電所のしくみは複雑ですから、技術的なことについてわかりやすく説明するのは難しいことだと感じています。うまく伝えられるように、今後とも勉強していかなくてはなりません。
遠藤さん:
情報を正確に伝えなければならないので、責任が重大です。研修では、ご来館者さまからどういう質問があるかを想定して練習していますが、実際にどのような質問が出てくるのかは、始まってみないとわかりません。いよいよ開館だという期待の気持ちもありますが、不安も少しあります。
なぜ、この仕事を選んだのですか。
小松さん:
私は広野町出身で、以前は東京で接客の仕事をしていたことがあります。今回は、地元のためになれると同時に、接客の経験が生かせる仕事だと思い、迷わず応募しました。
髙橋さん:
私は地元の富岡町出身で、双葉郡内にある高校に通っていました。学校では、地元の復興のために何ができるかをみんなで考える、未来創造探究という授業がありました。ほかにもいろいろとやりたいことはあったのですが、地元の復興のために貢献したいと考えて、この仕事を選びました。身内が発電所関係で働いていたこともあって、私自身、全く不安はありませんでした。
ご案内の仕事はご来館者さまの反応が
直接伝わってくるのでやりがいがある
この仕事をしてよかったと感じるのはどういうときですか。
遠藤さん:
廃炉資料館はまだ開館していませんが、私はこれまでも1Fをご視察いただく方をご案内する仕事を担当していました。もともと接客やご案内は苦手だったのですが、自分が発信したことに対してすぐに反応があるので、やりがいを感じていました。廃炉資料館ではさらに新しい経験ができそうで楽しみです。
塩澤さん:
以前は、事務的な仕事をすることが多かったのですが、ここでは最前線でご来館者さまと接することができます。緊張することも多いのですが、やりがいがある仕事だと感じています。
小松さん:
直接よかったと言ってもらえると、この仕事をやってよかったと感じます。また、仕事を通じて知識が増えていくことで、自分の世界が広がることも楽しみの一つです。
館内はゾーンに分けられ、映像や模型を駆使した展示が並ぶ
震災が起きたときは何をしていましたか。
遠藤さん:
震災が起きたときは東京に住んでいました。広野町にいる家族とは、しばらく連絡がとれず、地元の状況もわからないので非常に不安でした。そのときは製造業の会社に勤めていましたが、震災の経験もあって、地域に貢献する仕事がしたいと思うようになりました。
小松さん:
東京の大学に進学が決まって、東京に出発する直前でした。結局、父を広野町に残して、残りの家族は私と一緒にしばらく東京に避難することになりました。
髙橋さん:
小学校の6年生で、卒業式の準備をしているころでした。父は、仕事で2Fと家を行ったり来たりしていたのですが、震災が起きた日はたまたま体調を崩して家にいたのです。震災自体は恐い体験でしたが、父がいてくれたおかげで、心細いということはありませんでした。
ところで、休日はどんなことをしていますか。
塩澤さん:
週末は、月に2回ほど千葉県にある自宅に帰りますが、そうでないときは大体のんびりしています。また、これまでの仕事では東北地方に縁がなかったので、ときには福島県やその周辺の小旅行も楽しんでいます。とくに城下町の風情が好きで、先日訪れた二本松では菊人形祭りの盛り上がりに感動しました。
遠藤さん:
旅と写真が好きで、休日はよくカメラを持って出かけ、味わいのある町並みなどをフィルムカメラで撮っています。アクション系の映画も好きです。頭を空っぽにして映画の世界に浸れるのがいいですね。
小松さん:
休日は英会話の勉強をしたり、東京に出かけたりしています。海外旅行も好きで、これまで行った中では、空気が澄んでいて町並みがきれいだったロサンゼルスが気に入っています。機会があれば、ノルウェーに行ってみたいなと思っています。
髙橋さん:
最近はボウリングやバッティングセンターによく行っています。また、ときどき東京に出かけると、原宿や渋谷に行って、かわいい服を中心にどっさり買い物をしてきます。
塩澤 文夫さん
東京生まれで自宅は千葉県市川市。現在は単身赴任でいわき市内に。趣味は、旅行、英会話、ドライブ。初めての福島の生活は興味深いことばかりで、食べ物はメヒカリが気に入っている。
遠藤 紘史さん
広野町出身。趣味は写真と映画鑑賞。いろいろな町を訪れて、これまでで一番気に入ったのは金沢。住んでみたいとも思っている。好きな食べ物は、母親が作る家庭のカレー。
小松 真帆さん
広野町出身。趣味は旅行のほか、ファンタジー小説を読むのが好き。『ハリーポッター』シリーズを日本語で読んだあと、辞書を引きながら英語版に挑戦している。好きな食べ物は山菜類。仙台のセリ鍋も好き。
髙橋 彩花さん
富岡町出身。もともとかわいい服が好きだったが、最近は少しずつ趣味が変わってきて、色々なファッションにチャレンジしている。好きな食べ物はオムライスとイチゴ。
廃炉資料館では、みなさまが日々ご対応いただいている廃炉作業の全体像をご案内しております。
ご家族、ご友人と一緒にぜひお越しください。
- プロフィール
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塩澤 文夫さん
東京生まれで自宅は千葉県市川市。現在は単身赴任でいわき市内に。趣味は、旅行、英会話、ドライブ。初めての福島の生活は興味深いことばかりで、食べ物はメヒカリが気に入っている。
-
遠藤 紘史さん
広野町出身。趣味は写真と映画鑑賞。いろいろな町を訪れて、これまでで一番気に入ったのは金沢。住んでみたいとも思っている。好きな食べ物は、母親が作る家庭のカレー。
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小松 真帆さん
広野町出身。趣味は旅行のほか、ファンタジー小説を読むのが好き。『ハリーポッター』シリーズを日本語で読んだあと、辞書を引きながら英語版に挑戦している。好きな食べ物は山菜類。仙台のセリ鍋も好き。
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髙橋 彩花さん
富岡町出身。もともとかわいい服が好きだったが、最近は少しずつ趣味が変わってきて、色々なファッションにチャレンジしている。好きな食べ物はオムライスとイチゴ。
- お勤め先
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東双不動産管理株式会社
1982年設立。福島県浜通りの地元に密着した企業として、新しい町づくりと地元の雇用確保を目指している。
- 東京電力廃炉資料館
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所在地:福島県双葉郡富岡町大字小浜字中央378
連絡先:0120-50-2957
開館時間:9時30分~16時30分
休館日:毎月第3日曜日 および年末年始
入館料:無料(駐車場無料)