2020年4月2日
労働環境の改善に向けたアンケート結果(第10回)について
はじめに
福島第一の廃炉に向けた作業にご尽力いただき、ありがとうございます。また、この度はお忙しい中、労働環境改善に関するアンケートにご協力いただきまして、ありがとうございました。
今回のアンケートでは皆さまの現在の労働環境に対する受け止めや、更なる改善要望、ご意見を数多くいただきました。
ご意見・ご要望の内容と、今後の改善の方向性・スケジュールなどをまとめましたのでお知らせいたします。
なお、回収率は、94.9%と前回比0.8%増となりました。
当社といたしましては、今後も「安心して働きやすい職場」作りに取り組んでまいります。
引き続き、福島第一の安定化・廃炉に向けたご協力をよろしくお願いいたします。
■アンケート実施方法■
- 対象:
- 福島第一の作業に従事する全ての方
(東電社員を除く) - 方法:
- 無記名式
- 期間:
- 2019年8月30日~10月31日
(追加含む) - 回答者数:
- 4,405人
(4,638部配布,回収率94.9%)
取り組みに対する評価
ウェブサイト「1 FOR ALL JAPAN」、「シャワー設備」、廃炉情報誌「はいろみち」についてご確認させていただきましたところ、全取り組みについて、ご存じの方々のうち80%を超える方々に「良い」「まあ良い」と評価いただきました。
現在の労働環境に対する評価
「救急医療室(ER)の利用しやすさ」について、改善策として、作業員の皆さまに気軽に受診していただくため安全衛生推進協議会での概要説明、見学会等の開催周知ならびに実施、イントラネットの所内共通掲示板での利用方法のご紹介などを継続してまいります。なお、次頁以降に、各設問の結果の詳細および「皆さまへのお知らせ」について記します。
福島第一で働くことへの不安について
「汚染水対策」や「燃料デブリ取り出し」などの目標工程をお示しした中長期ロードマップの内容について機会をとらえ、皆さまにお知らせしてまいります。
構内の軽装備化にともなう放射線に対する不安について
不安を感じている方々のうち、約37%の方々が「顔の露出している部分が汚染しそう」をその理由として挙げております。
直近1年においても内部取り込みが疑われる顔の汚染は発生しておりません。
顔が汚染する原因はマスクや着衣類を脱ぐときに、汚染したゴム手袋等で誤って触れることです。
防護装備の正しい着脱方法等、放射線防護の知識について、入所時教育や災害防止協議会の場などで、引き続き、元請企業と共にわかりやすく作業員の皆さまに周知してまいります。
やりがいについて
福島第一で働くことに対して約79%の方々が「やりがいを感じている」「まあ感じている」と回答されており、年々増加傾向にあります。
就労希望について
福島第一での就労希望に対して約69%の方々が「ぜひ働きたい」「働きたい」と回答されている一方で、約9%の方々が「どちらかといえば働きたくない」「働きたくない」と回答されております。
働きたくない主な理由としては、「作業環境の悪さ、廃炉への貢献度等のわりには賃金(手当を含む)が安い」「今後の仕事・作業が見えない」と回答されております。
「今後の仕事・作業が見えない」については、「汚染水対策」や「燃料デブリ取り出し」などの目標工程をお示しした中長期ロードマップの内容について機会をとらえ、皆さまにお知らせしてまいります。
就労実態について
不適切な作業指示について「あなたに給料を支払っている会社以外」から受けていると回答された177件のうち、元請/雇用企業名(記載は任意)の記載があった28件について実態調査を実施し、“適切な派遣契約であったことや安全指示を誤認等”であることを確認いたしました。
労働条件通知書などで示された条件通りに、給料が「支払われていない」と回答された10件のうち、元請/雇用企業名(記載は任意)の記載があった2件について実態調査を実施し、“雇用契約書または労働条件通知書に基づき賃金が支払われていること”を確認いたしました。
福島第一独自の施策としている賃金割増について、「支払われると聞いた時期を過ぎても説明通りに支払われていない」に4件の回答がありましたが、元請/雇用企業名の記載がありませんでした。
就労実態調査を実施した元請/雇用企業も含め全ての協力企業に対し、適切な取り組みをお願いすると共に、協力企業が集まる場での周知徹底を行ってまいります。
就労実態に関する実態調査結果については、福島労働局殿に説明させていただいております。
就労形態に関する個別の相談については、22頁で相談窓口をご案内しております。
東電社員の態度について
今回の皆さま方からのご意見を真摯に受け止め、姿勢や態度を正すよう、今一度、福島第一で従事している社員に周知徹底するとともに、継続して教育を行ってまいります。
その他
昨年、多くのご意見をいただきました「協力企業棟から入退域管理施設までの歩廊の設置」につきましては、本年度中の設置を予定しております。